[総合目次] [観音院目次] [観自在目次] [駆け込み寺楽書帳]


和尚(おしょう)さんのお話「第十六話」 法話総目次

   「世のため人のためと言う条件があるとは・・・」 (97.8/5掲載)

                        観音院 住職 高田寛恵

 未常識の経済とかで「世のため人のため」に「やっているのだ」と
言っていたKKCとかの会長が詐欺師容疑で逮捕された。
 安田病院の院長先生も「世のため人のために仁術をやっている」と
言っていながら詐欺師容疑で逮捕された。
 KKCについては、ハイリターンで、ハイリスクは被害者にも若干
の責任はありそうな気がするが、病院の患者は病気を癒してくれると
信じて診療を受け、それで酷い扱いを受けたのだから、被害者には何
の落ち度もない。

 私も「世のため人のために尽くすよう」、前住から厳格に言われて
住職に就任したが、このところ、世のため人のため、なんて言おうも
のなら詐欺師の仲間と思われかねない。
 自分の行為を「世のため人のため」と言いたいのなら、経理と運営
は完全にガラス張りでなくてはならないと思う。

 組織や団体の動きは、議事録で見ることが出来るし、貸借対照表や
損益計算書は人間で言えば性格のようなもので、これを見せてもらえ
れば、大体の判断はできる。
 だが、これらの書類も粉飾とか捏造される場合があって、公認会計
士さんの保証がないと、単純に信じてはいけない。
 詐欺容疑で逮捕された人の以前の記者会見をテレビで見たが、自分
は良いことをしていると、言いつのっていた。

 私どもは常勤の監事を三名もおき、顧問の公認会計士の先生と相談
しながら運営しているが信頼してもらえるかと不安になる。
 何とも困った世の中になった。「世のため人のため」と言うと詐欺
師のように思われかねない、これは奇怪しいことだ。


  それでも言いたい

   僧侶が僧侶としてあるべき姿としては「世のため人のため」に
  働くことだと思う。「自分のためにしているのでは」と常に自戒
  し、かりそめにも世間に迷惑を掛けてはならない、だか「世のた
  め人のため、自分のため」と言い改めようかと正直、考えている。

前の法話/第十五話(97.8) 法話総目次



第一話〜第七話までのお話集の目次
 1)「宗教法人は社会正義の実現に努力することが大切」
 2)「会って、見て、交際して、自分で評価する。」(9/7)
 3)「急がれる日本のモラルの復興に努力を注ぎたい」(9/22)
 4)「当選者がどう合従連衡するのか見ておきましょう」(10/6)
 5)「当選者がどう合従連衡するか公約はどうなるか」(10/17)
 6)「行革や規制撤廃は公約通りに進められない!」(10/20)
 7)「我が身に起きたこととして誠実に拝みます」(11/10)

 8)「恥も失敗も迷惑も捨てて、生活に張りをもちたい」(96.12/9)
 9)「人間関係を適切にすれば、運命は転換出来る」(97.1/18)
 10)「円安が進むと怖い、無策の大蔵省と日銀」(97.2/8)
 11)「一年が一日のように過ぎて行く毎日です」(97.3/9)
 12)「親の恩を復活させてくれたパソコン」(97.4/8)
 13)「7月6日は大般若転読百座記念法要」(97.6/12)
 14)「7月6日は大般若転読百座記念法要執行」(97.7)

ご感想やご質問はこちらに


観音院のホームページ

[総合目次][民の声] [門前町] [霊園] [寺子屋] [観音院][観自在][English]