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未常識の経済とかで「世のため人のため」に「やっているのだ」と 言っていたKKCとかの会長が詐欺師容疑で逮捕された。 安田病院の院長先生も「世のため人のために仁術をやっている」と 言っていながら詐欺師容疑で逮捕された。 KKCについては、ハイリターンで、ハイリスクは被害者にも若干 の責任はありそうな気がするが、病院の患者は病気を癒してくれると 信じて診療を受け、それで酷い扱いを受けたのだから、被害者には何 の落ち度もない。 私も「世のため人のために尽くすよう」、前住から厳格に言われて 住職に就任したが、このところ、世のため人のため、なんて言おうも のなら詐欺師の仲間と思われかねない。 自分の行為を「世のため人のため」と言いたいのなら、経理と運営 は完全にガラス張りでなくてはならないと思う。 組織や団体の動きは、議事録で見ることが出来るし、貸借対照表や 損益計算書は人間で言えば性格のようなもので、これを見せてもらえ れば、大体の判断はできる。 だが、これらの書類も粉飾とか捏造される場合があって、公認会計 士さんの保証がないと、単純に信じてはいけない。 詐欺容疑で逮捕された人の以前の記者会見をテレビで見たが、自分 は良いことをしていると、言いつのっていた。 私どもは常勤の監事を三名もおき、顧問の公認会計士の先生と相談 しながら運営しているが信頼してもらえるかと不安になる。 何とも困った世の中になった。「世のため人のため」と言うと詐欺 師のように思われかねない、これは奇怪しいことだ。 それでも言いたい 僧侶が僧侶としてあるべき姿としては「世のため人のため」に 働くことだと思う。「自分のためにしているのでは」と常に自戒 し、かりそめにも世間に迷惑を掛けてはならない、だか「世のた め人のため、自分のため」と言い改めようかと正直、考えている。