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和尚(おしょう)さんのお話「第十五話」 法話総目次

   「善いご先祖さまになるために今日を大切に」 (97.7/20掲載)

                        観音院 住職 高田寛恵

 私が今日あるのは、父母のご恩であり、祖父母のご恩でもある。
 ご先祖さまのご恩を感謝し、報恩の真(まこと)を尽くすために、
日々ご供養することについては、人後に落ちないつもりである。

 ところで、妙なことが気掛かりになってきた。
 子孫からすれば、私はご先祖さまに加えられる一人だが、私がご
先祖さまに感謝しているように、私が子孫にとって感謝される存在
であるだろうかと不安になった。
 始末に終えない奴だったなどとは言われたくない。
 では、どうすれば子孫に感謝されるようなご先祖さまになれるか、
これは大変な課題である。

 相続税などで子孫のために美田が残せるような時代でもない。
 借金は相続放棄で済むから、それまでのことだが、これも一種の
破産みたいなもので、債務者は立腹するかもしれない。
 もっとも怖いのは悪名高きご先祖さまになることだ。

 世間を渡るためには、美徳や人望だけでは無理で、商才とか閃き
とか、画期的な便宜を世の中に提供するとか、大勢の人を喜ばせる
ことだとか、いろいろと手段はあるが、そのようなことで子孫に
感謝されることは大変なことだ。

 私にできることとしたら、せめてものことだが、正直に、真面目
に、勤勉に、神仏を大切にし、無理をしないように、他人の心を傷
つけないよう、それくらいのことしか思いつかない。
 私は生涯に一度も嘘を突かない親に育てられた。親は他人の心を
傷つけることがなかった。
 日々、年をとってご先祖さまになりつつある、できれば先代のよ
うに広い心と相手の立場で考えて生きて行きたい。

  平穏な生涯を

   生まれて来て、生きて、やがて死に行く。蟻のように、勤勉に
  働いて、あれで、何の楽しみがあるのだろうかと思われるような
  生き物でありたい。私のことは私が一番よく知っている。回顧し
  て胸の痛むようなことだけは絶対にしたくない。平穏が願い。

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第一話〜第七話までのお話集の目次
 @「宗教法人は社会正義の実現に努力することが大切」
 A「会って、見て、交際して、自分で評価する。」(9/7)
 B「急がれる日本のモラルの復興に努力を注ぎたい」(9/22)
 C「当選者がどう合従連衡するのか見ておきましょう」(10/6)
 D「当選者がどう合従連衡するか公約はどうなるか」(10/17)
 E「行革や規制撤廃は公約通りに進められない!」(10/20)
 F「我が身に起きたこととして誠実に拝みます」(11/10)

 G「恥も失敗も迷惑も捨てて、生活に張りをもちたい」(96.12/9)
 H「人間関係を適切にすれば、運命は転換出来る」(97.1/18)
 10「円安が進むと怖い、無策の大蔵省と日銀」(97.2/8)
 11「一年が一日のように過ぎて行く毎日です」(97.3/9)
 12「親の恩を復活させてくれたパソコン」(97.4/8)
 13「7月6日は大般若転読百座記念法要」(97.6/12)

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