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運勢と処世概観 1999年2月---- 今年は、大変だ大変だと言わないことが大切    言い過ぎると、大変が本当にやって来る----1999年2月 ■二、三年過ぎてしまえば、今年も来年も、去年や一昨年 とそれほど変わっていないのが普通。大変がうろうろして いるに、大変、大変と呼びかけて、大変が、本当に来たら 大変なことになる。 ▼ロシアで、通貨が増刷されている様子。昨年十二月早々 ルーブルが対ドル二五パーセント下落。これは薬物依存に 成りやすい処方箋で、日本も見習うべき妙手かもしれない。 人件費は下がるし、借金はパーになるし、金はザブザブに なる。デフレからインフレに逆戻り、土地神話も復活、乱 暴な話だが貯金もパーになる。 ▼簡単に説明すれば印刷屋を総動員して、十万円札を大量 増刷して日本中の銀行の支店や町の郵便局に全て百億円く らい貸し付ける。 ▼貸し付けられた方は堪らないから、支店長や局長さんが 揉み手をしながら「お金を借りて下さい」と、頭を下げて 現金持参で回りだす。 ▼担保も糞もない、人柄の良さそうな人や新規事業などは 何でもどさっと貸付が受けられる。思うだけでも痛快だが、 円は歯止めなく下落するという副作用がある。 ■似たようなことはあるもので、九九年度予算大蔵原案は 八一兆八六〇一億円、国債依存度が三八%、大魔神の当初 からの登板で、このようなことは毎年はやれない。景気の 底這いは、日本だけの問題ではなく、世界中の出来事で、 日本だけうまくやることは不可能。 ▼その上に大蔵省資金運用部が既発債と新発債の買入引受 けを停止すると発表したものだから債権・株・円のトリプ ル安となり長期金利が急上昇、景気に悪い影響が懸念され るようなことも。 ■堺屋太一経済企画庁長官が「変化の胎動」を感じると 言ってるが、リストラは続き、雇用と国民の総所得は減り 続ける。デフレ圧力は生産設備の廃棄に繋がり、信用の収 縮傾向は納まらない。 ▼金融緩和などで通貨供給料は膨らみ、しかも支出は削減 傾向でお金が淀んでいる。 ■大蔵原案も毎年増額では三年続ければ大変なことになる。 日本が破産しそうだ。 ▼世界一の貯金大国が世界一の赤字国債で帳消しになりか ねない。困ったことだ。 ■水は水のように、緑は緑のように、空は空のように、こ の美しい自然も後世に残したいものだが、困難な諸条件が 満ち溢れている。 ▼二一世紀に引き継ぎたいものは、人の優しさとか、助け 合う心とか、未だしも残されている宗教心などだが、なん ともがさつな、刺々しい弱肉強食の傾向が蔓延(まんえん) して、非情な心だけは持ち込みたくない。 ※「変化の胎動を感じる」とは微妙な表現で、妊娠中の女 性の子供の動きを、第三者が感じることなど無理な相談。 胎児の手足の運動は五ヵ月くらいから感じることができる そうだ。逆算すれば昨年七月くらいから良くなりつつある という表現か。比喩的に新しいものが、旧来のものを突き 破って出てくることをいうが期待したい。 ※雇用状態が良くならない。ハローワーク(職安)の求人 資料をみても、四十歳以上の仕事は殆どない。職業を選ぶ 権利がある筈なのだが、そのようなことを願って転職でき る人は少ない。現在の仕事を大切に誠実に守りたい。 ※辛抱という言葉は現在の経済状態のようなときに用意さ れているのだろう。わがままや甘え、勝手気儘(きまま) は自分を滅ぼしてしまう。転職・離婚などは平時でも大変 だけど、現在のような経済状態では、辛抱に我慢が大切だ と思う。
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