目次 Kanjizai Index
運勢と処世概観 1998年12月----
大難は十善戒を基礎として乗り切る
み佛(ほとけ)の慈悲を屋根として----1998年12月
■平成十年は隠された患部から膿(うみ)が噴出するよ
うな年であった。企業の多くは公徳心を失っていて、
情報開示を怠り、粉飾決算をなし、市場や大衆に大損
害を与えた。
▼これらの醜聞(しゅうぶん)はその企業の経営者群の公
序良俗の欠如からなされたものであり、大人の良心の
在り方に問題があった。
▼政治家もまた同様で、当選後に所属政党を変更したり
虚偽の政治資金支出報告書を提出したり、公徳心のか
けらもないような輩(やから)が多々見受けられた。
▼官僚も同様で頭でっかちのエリートが挫折し、醜態を
晒している。
■庶民もまた公序良俗の何たるかを忘れてしまったよう
である。その人たちが大人になって、産んで育てた子
供たちがぼつぼつ社会人の中堅を構成しつつあり怖い
世の中になった。
▼青少年の非行行為は親と社会の責任である。日本中が
腐った塵芥置場のようで悪臭を放っている。
▼本来なら人の道を説き、公序良俗の興隆を願うべき立
場にある僧侶の在り方も大問題である。葬儀社と結託
して法外な戒名料をふんだくって葬祭ビジネスに身を
任せて恥じない。
▼学校の教師も所詮は恥知らずの親に育てられたわがま
ま者で、躾けの何たるかも知らないと言っても過言で
はない。およそ教育機関に携わる人々で現在の教育の
荒廃に責任なしとする人がいるなら厚顔無恥と言って
差し支えない。
■マスメディアは本来の使命を忘れ、興味本意の内容に
鎬を削り、部数と視聴率に支配され、猟奇事件を再三
流して悪影響を与えている。
■全ての人に聞きたい。親に孝行であったか。兄弟は仲
良くしたか。恩に報いることを知っているか。礼儀を
尽くして日常を生きたか。
▼物を粗末にし、情けあるものの心を蹂躪することはな
かったか。無計画に消費し収入以上の贅沢をなし、浪
費することはなかったか。
■山は枯れ海は痩せている。国土も人心も荒廃の極に達
している。日本だけではない。世界中が荒廃し、経済
復興も遠く、平和も確立されているとは言えない。
▼宗教者の責任は極めて大きく、肉色に溺れ、法を説く
ことを怠って今日に至った。
■他人を責めるのは易しい。自らの責務を見つめ、真摯
に反省し、これで良かりしか自問し、答えを見つけて
余生を公序良俗の復興にかけたい。十善戒を見つめて
恥じること多く、万死に代えても責任は果たせない。
願わくはみ佛のご加護を賜らんことを。
※厳密に子細に自分の過去を反省懺悔(さんげ)する
なら、私は僧侶と名乗る資格を有しない。約三十五年
間は、ほとんど十善戒に背いたことは無いと思うが、
知ると、知らざると犯した罪はみ佛の許しを得るしか
道が無い。
許されるならば今後も僧侶として十善の道を歩み、
皆さまの幸せを願い続けて日々を過ごし、余生を全う
したい。
※公序良俗を守り公徳心が高いだけで幸せになれると
思ったら大馬鹿者である。法律を遵守(じゅんしゅ)
し、知恵を働かせ、なすべきことをなさざる時は道端
の石ころと変わらない。
人生を誠実に生きて世のため人のために尽くす。
※反省懺悔は程々に、過去の過ちはみ佛の加護によって
清めてもらい、前向きに生きることが大切。経済状態が
良くないが、それと公序良俗は関係がない。どのような
時にでも大切にすべきものが、例えば十善戒である。
Kanjizai index|9811|9901|
KAN NON-IN English version
e-mail:kanjizai@kanjizai.com