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運勢と処世概観 1998年11月---- 十月五日に中秋の名月を見た     来年の月も百%美しく輝くと思う----1998年11月 ■ノストラダムスの大予言とかで一九九九年の七月に地球に大魔王 が降りて来るとか、冗談では無い、日本人は広辞苑の範囲の知識で 生きて行けば良い。そのようなことは一行も掲載されていない。こ のようなことで心配するのは馬鹿だ。 ▼十月五日の晩八時ごろに東の空に掛かる中秋の名月を見た。  十五夜お月さんと歌いはしなったが、六十年昔も同じように美し かった。  百年後も千年後も地球環境を大切にすれば同じ中秋の名月が見ら れるだろう。 ■IMF(International Monetary Fund) 国際通貨基金という国連 専門機関がある。加盟諸国の出資によって設けた基金で、各国が為 替取引の制限をはずして、自由かつ多角的な取引を行い得る条件を 整えることを目的としている。日本はきちんと拠出金を出している が、アメリカは未納分がある。 ▼インドネシアやタイの通貨危機にIMFは融資の条件として引き 締めを求め、それが両国の経済危機を大きくする要因になった。 ■アメリカは景気が良さそうに聞こえてくるが、LTCMという、 ハイリスク・ハイリターンのヘッジファンドとかデリバティブ取引 きなど金融派生商品を扱う会社が破綻しかけた。この会社にはノー ベル賞を受けた経済学者が二人もいて、言わば資本主義の精髄みた いな優れて立派な会社である。 ▼何だか投機資本主義の破綻というか、資本主義の自家中毒と言う か、先が見えなくなった感じがする。 ▼G7で世界経済のために日本経済の建て直しと金融機関に対する 迅速十分な公的資金の投入が要望された。 ■ところで日本の政治は各党自説を主張しているが、本当の相手は 経済であって、政治家は協調して対処しなければならないのに、何 とも焦れったい今日この頃。 ▼国会議事堂の質疑応答をテレビで見たが、ド賢い子供が駄々をこ ねて時間を浪費しているように思える。 ■国民が切望していることは金融の正常化で、総理大臣は誰でも良 い。貸し渋りはもう一年も続く。調整インフレでも良いから兎にも 角にも、金を何とかして欲しいのだ。合理化かリストラか訳が分か らんままに仕事が無い。失業者がこのように増えてどうなるの。 ▼厭になりそうだけど、誰か迷える世界経済を早急に立て直せる人 はいないのか。 ■来年の春くらいから少しは良くなるだろうと期待する人は多いが、 二十一世紀初頭にかけて経済的混乱は世界中を駆けめぐりそうに思 える。それでも人間を止めてはならない。 ※このところの為替の乱高下は円が変動制に移行して以来の振れ幅 で、目を白黒するような思いだ。米国系のファンドなどが低金利の 円調達、円売り、ドル買い、新興国市場などでの高金利運用など、 加えて国際的な短期資本取引の規制論議など、詳しいことは分から ぬが、ヘッジファンドが損失を埋めよう足掻いている。 ※ニューズウィークが10月14日号で「1999大破局のシナリ オ」と特集し、副題として「頼みのアメリカも揺らいで世界経済は 恐慌の淵に立っている」と纏めている。とても面白いし核心を突い ているからご一読を。 ※金融早期健全化法案は火事になってから消火方法の論議をしてい るようで奇怪。政党間の調整がままならぬようだが、本当の相手は 政党ではなく魔物と化した経済の動向だ。早く相手を見定めて対策 を立て実行が肝心。
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