目次 Kanjizai index
鈴の法話 ----全てに愛を光と祈りを----1999.9月
多くの人や組織や国家が「思いやり」を失い
自分が、自分たちだけが良ければと考えると----
観音院 法主 鈴之僧正
思いやりは相手の立場で考えることから起きてくる感情です。
何時ごろからでしょうか、思いやりの心が世間から著しく欠けて
きました。
思いやりは、豊かさを分けることではありません、生活が苦し
くても思いやりの心はもてます。相手の立場で考えることは、ど
のような困難な立場に置かれても出来ることです。相手の立場で
考える身近な例では、親が子供の幸せを思う気持ちですが、最近
は親子関係が希薄になりつつあります。親子関係の崩壊は大変に
苦しいもので、そこら当たりから・・・。
断腸の思いをしないで育てる
自分の出来なかったことを子に・・・
■子を失い、悲しみのあまり死んだ母猿の腸が細かくちぎれていた
という故事から、腸がちぎれるほど悲しいことを「断腸の思い」と
表現する。
心配事があると食物が喉を通らぬ、夜は寝られぬ、仕事も手に付
かぬくらい心配する、医者に行ってみれば胃潰瘍になっている、自
律神経が失調する、それくらい心配すれば、多くのことは片づくの
が普通です。
心配の基準としては、普通のことが出来ない、と言っても大変に
幅広い問題です。
歩行、視聴覚、言語、学習、礼儀、人間関係の熟成など、生涯に
関わる問題です。
子供さんが小児麻痺だったと思いますが、片足が不自由で、マッ
サージすれば回復するかもしれないと言われた医者の言葉を頼りに
朝昼晩マッサージを続けて普通になられた親子を知っています。
脳疾患で足が不自由になられた方が血が滲むようなリハビリで回
復された方もおられます。
子育てを楽しく気楽にやろう
子供それぞれに分があるから
■躾は大切ですが、虐待と思えるほどに躾をしてはいけません。
最近よくトラウマという言葉を聞きますが、幼児期の心的外傷は
成長しても癒されることが難しいのです。虐待は犯罪です、ですが
躾の意味を正しく理解して子供の将来において社会で上手く共存出
来るようにしてやりたいものです。
子供は宝です。大切にしたいものです。しかしです、したい放題
で成長に任せる、欲望の満足を親が強烈に支持してやると、大変な
子供が育つことがあります。
▼宝物も磨かねば光りません。子供を大切に思うなら、親は一生懸
命に我が子を磨かなければならない、これを心に留めて下さい。
▼もう一つ大切なことは普通の場合、親は子供より先に死にます。
どのように可愛くても、子供の最後までは看取ってやれない、子供
が自立してくれなければ、親は死んでも死にきれません。
▼親はやがて歳をとり、子供に介護されて死に行くことが望ましい
ことです。
▼ところで家庭で入学前に適切な躾がなされていても、実は無意味
かもしれません。学校教育も社会も目茶苦茶で、躾けられているこ
とがストレスになりかねないほどに法外が普通になっています。
▼家庭教育の問題も教師の育て方まで逆上って適切でなく、落第教
師が沢山いるのです。これは、もう六十年も逆上らなければならな
い昔に原因があり今後の重要な課題として取り上げたいものです。
▼残念なことですが、多くの親は親としての資格がありません。
子供を教育する上で必要な愛情とか知識、道徳観などについて十
分な情報をもっておられません。
躾の必要なのは親です。親が嘘つきで、我利我利亡者で、自分を
育ててくれた親を大切にすることを知らない、これは大欠陥です。
▼七十歳以上の人は「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ
恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓発シ
徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ広メ…」と言うものがありました。
「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の
育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創
造をめざす」・・・、これは教育基本法の精神です。
■僧侶は教育に向いていません、法事と葬式で精一杯です。昔は寺
子屋で読み書き算盤、礼儀作法など教えられましたが・・・。
僧侶は宗教法人法などで規制され、人望が無ければ自然消滅しま
すから、放置しておいても心配は先ずありません。多くは無益無害
と言えましょう。
▼政治家は百%嘘つきです。何よりも低い投票率が国民の政治に対
する無関心さを示しています。無関心になった時、民主主義とやら
は崩壊していることになります。日本を駄目にした一番大きな責任
は政治にあります。自自公でも自自民でも何でも良いから道徳復興
について大きな法律をつくってほしいものです。今、日本に一番欠
けているものは道徳なんです。
▼公務員倫理法なんて不要です。「公務員は万引きしません。公務
員は嘘を言いません。公務員はセクハラをしません。公務員は賄賂
を受け取りません。只酒は飲みません。仕事に精励します。・・・」
と朝礼と終礼で斉唱させると少しは身に付くかもしれませんね。
▼ところで、教師と名の付く者には道徳観などの人間としての訓練
や見極めをする制度を定めて欲しいものです。物を大切にすること、
生徒との性行為をしない、約束を守る、職員会議を大切にする、次
元を下げれば「教師は万引きをしない」程度まで分かりやすい一般
教育をする必要があります。
出来れば、百貨店か保険会社の社員など五年くらい義務化して、
一人前の者だけを教師に採用するくらいの制度が必要ですね。
もっと望めれば小中高に倫理道徳の公的試験を課するとか、一定
の水準に到達しなければ成人と認めない、それくらい強烈な仕掛け
が必要ではないかと思います。
▼子育て教育を一年受講しなければ、結婚してはならないといった
法律が必要かと思う現状です。
▼多くの資格制度はナンセンスです。医師免許をとれば八十年はそ
のまま使える。自動車免許みたいに四年か五年に一度は更新をする
制度は絶対に必要です。化石みたいな免許が多いですね。
道徳では間に合わぬ様々な実生活は法律で規制
刑罰で統制しなければならないほどのしたい放題
■老人介護が保険でなされ若い人も多額の負担を求められる、これ
は親孝行を法律で強制しているように感じます。
▼ゴミの処分が有料化の方向になりつつありますが、これも本来は
散らかさないという何でもない公衆道徳が料金化されているように
思えてなりません。
▼大多数の子供が高校へ進学する時代に、義務教育が中学までとい
うのもおかしな話です。
▼保育園や幼稚園も措置費で賄われるものと月謝が必要なところと
ありますが、これも公平ではありません。
■東京都では「奥さんに暴力を振るってはいけない」条例が出来る
とか、こんな条例は日本の恥だと思います。年間に夫の暴力に耐え
かねて警察なり何らかの機関に訴えた女性が都内で約三万人、男性
で奥さんに叩かれたり、家に入れて貰えなかったりする人も二千人
くらいいるそうです。
▼夫と全く関係の無い、性生活の無い家庭も増えつつあります。こ
のような相談は厭です。
最初の原因はどちらにあるにせよ、同居だけの「家庭内離婚」的
な夫婦のどちらかが僧侶に対して配偶者が応じるよう説得して欲し
いなんて・・・場違いです。
■元日早々電話がありまして、厭だと言ったら殴られた。正月くら
いは良いのでは、と応えると、四回もですよ、と言われる。
食べたいとか、眠たいとか、性行為などについても条例を設けた
方が良いかも知れないですね。
むしろ成人式の誓いの言葉にでもして標準化しなくてはならない
かもと情けなくなります。
▼本能の部分すら適切に表現出来なくなっていることは、人間とし
て問われる時に、どのような行動をとるか計り知れない怖さを感じ
ます。
■夫婦喧嘩は犬も食わないと警察も介入しないような、ある意味で
の個人の尊厳で、他人の介入出来ないプライバシーでもあったので
すが、条例を定めればお巡りさんも止めに入れることになります。
▼猛烈な夫婦喧嘩をしているので仲裁して欲しいと老夫婦から泣く
ような懇願を受けて出向いたことがありますが、まな板が障子を突
き破って飛ぶ、ノートパソコンで旦那が頭を叩かれてキーボードが
外れて、液晶が割れているような凄いのに出会いました。
これは制止する方も命懸けで年寄りの手には負えません。この時
に感じたことは体罰を与える場所の教育が出来ていないことでした。
昔の親や先生は子供の躾に体罰を加えましたが、その程度と場所
を知っていたと思います。
頭や顔を叩くのは禁忌事項で、尻とか、平手なら口の中が切れな
い程度の頬。手の甲であれば物差しでピシッというくらいの常識と
しての了解がありました。
癇の虫を封じるといって灸をすえるという習慣もありました。
どれも命に関わるような体罰ではありません。体罰を受けたこと
の経験の無い人が配偶者や子供に体罰を加えると、傷害や殺人にな
りかねません。このようなことは少年期までに躾として教えておく
べきことです、知らないことは本当に怖いことです。
後片付けが出来ないでゴミの中
台所の流しから腐敗臭がする
■このようなことは序の口で、風呂には石鹸が洗い流されないまま
のタオルがかちかちに乾いて洗面器の形にへばり付いている。
洗濯機の中やそばのダンボール箱に洗ってない下着が詰められて
異臭を放っている。広げれば八畳の部屋くらいは一杯になります。
しかし、誰にも迷惑はかけてないのですから、かれこれ言うこと
はありません。
▼最近気になるのは茶髪とミニスカートです。一クラスで髪を染め
ていないのが僅かに二名という高校もありまして、染めない理由は
国体の選手だからそうです。白髪を染めるのは理解が出来るのです
が、緑の黒髪はとても美しいと思いますが、最近はもう虹色なんか
普通、睫毛に金銀、公序良俗を通り越して気持ちが悪いです。
爪にエナメルを塗るのも勝手ですが、絵まで描くのは仕事はあま
り出来ないだろうと思います。
一番迷惑なのが、スカートと言うよりベルトに近いパンツ丸見え
の服装で正面に座られそうな時、これは公序良俗に反しますし、私
は敢えて言えば大嫌いです。
■不愉快なのは十センチくらい上げ底の靴かサンダルを履いて階段
に座り、あるいはヨタヨタと歩きながら携帯電話でお喋りをしてい
る人たち。喋りながら歩くなという法律が欲しいくらいです。
あのような身なりは健康のためには良くない、何だか中国の古い
悪習である纏足(てんそく)を思い出すようで、親の心配が伝わっ
てくるようです。
このようなことに佛教は無力で予想もしていなかったことですか
ら、私は自分の感情だけで話しているのですが嫌悪感があります。
▼馬鹿馬鹿しいと思うのは、耳に一つくらいのピアスなら妥協でき
るのですが、三ケ所も四ケ所も穴を開けている、鼻にも開けている、
好奇心の対象にはなりますが、病的な行為だと思います。
■刺青の流行も困ったものです。私は洗えば流れる写し絵くらいに
想像していたのですが、本当に刺青をしている馬鹿者がいる。
▼他人の名前を自分の太股なんかに彫り込んで、後でお医者さんに
痛い思いをして取ってもらうなんて気の毒でもあります。
▼人が身体を色々と飾りたてる、或いは挑発的化粧や服装をするこ
とは、実は会社の粉飾決算と同じで、見掛けと実際が著しく異なる
ことになります。お洒落は決して悪いことではありませんが、お洒
落の範囲内にすることが大切です。
▼高齢者でそれは見事に刺青をしている信徒さんがいて、刺青をし
ていない場所は顔と手足の先くらい、死なれてから剥いで保存した
いくらいの美術品でしたが、死ぬ前に「これでやっと元の身体に戻
れる」と言い残されたのは意外でした。悪戯(いたずら)はほどほ
どにして欲しいものです。
■アメリカの禁煙ブームはヒステリックで、多分禁酒法と同じ運命
を辿ると想像しています。本当は高額な罰金を課して禁煙法を制定
したら皆禁煙します。一本喫煙したのが見つかったら罰金十万円、
二本目で倍額の二十万円、一箱吸うと懲役一年、税収が減るから出
来ないかもしれません。弁護士さんなんかには喫煙者が多いように
思いますので多分禁煙法は成立しません。傍聴法が制定されるより
は禁煙法が制定される方が国民のために良いと思います。
▼訳の分からない自自公連立内閣が出来そうですが、これでは大き
な意味で国民が一層政治には無関心になります。最近、真っ直ぐ立
てない人が増えていますが、自民党もふらふらに見えてきます。
※子をもって知る親の恩なんて遠くなりました。子供は大人の玩具、
年寄りは邪魔者。塾へ行かせて、パソコンを買って、ピアノを買っ
て、子供の将来も金で買えるくらいの錯覚を起こしている人が多い。
それが半分くらいは真実であることの怖さ。努力と倹約をすること
を知らない見栄張りが増えています。
※躾をきちんとすると、その子は躾をされていない子供の中で行動
するのに強烈なストレスを受けます。無秩序の学校へ放り込むには
無法者の方が上手く順応出来るかも知れない?。怖いことですが、
行儀作法や話し方よりは、拳法でも仕込んでおく方が苛められずに
済むかもしれない。子供には腕力を用意させる?
※いわゆる虞犯少年。一定の事由があって、その性格・環境に照らし
将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をする虞(おそ)れ
れのある少年。少年法により家庭裁判所の審判に付されますが、子供
の大半が虞犯少年の卵。子供を社会が甘やかすと、近い将来に大変な
矯正費用を負担することになるかも。
※幼児期から親が子供の色気を過剰に演出して、それを可愛いと喜ん
でいると、素直であれば色気で世渡りすることを覚える。
子供には子供らしい清楚な服装が適切。早くから厚化粧などを仕込
んで、中学から高校に掛けて妊娠したなんて、言ってみれば親がその
ように育てた訳で、気の毒だけど親が悪いですね。
-------------------------------------------------------------------------
鈴の法話9909-2
成功した親はいても賢明な親は少ない
出来た子はいても望ましい子はいない
■七月の倒産件数が前年対比二十二%下がって千三百三十二件、負
債総額が一兆三千五百四十九億円で、この内、日債銀と長銀がらみ
の破綻分が六千二百十四億円。多少は景気が夜明け前と言いながら
相変わらずの怖いこと。
■先日、日本有数の銀行幹部とお会い出来たが、地方の銀行は大方
駄目でしょう、うちでも危ない、心配無くなるまでには早くて五年
もしかすると十年は掛かりそうです。と言っておられたが、近くの
銀行は大丈夫なんでしょうか。信金は大丈夫ですなんて聞いたけれ
ど、そうかもしれないし、ウソかもしれない。被害妄想気味の伝聞
です。物騒な話が多い。
■人間に寿命があるように、組織や職種にも寿命があります。
そこには四苦八苦も人生同様にあって、生苦、老苦、病苦、死苦、
愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五陰盛苦を当てはめることが出来
ます。
五蘊(ごうん)とは集合体の意味で現象界の存在の五種の原理に
まとめたものです。
色・受・想・行・識の総称で、物質と精神との諸要素のことをい
います。
色は物質および肉体、受は感受作用、想は表象作用、行は意志・
記憶など、識は認識作用・意識のことなどです。
■最近の国家財政や経済事情などは正に四苦八苦の様相で、これを
解脱することは不可能かもしれないと思います。
▼個人は四苦八苦から解脱出来る場合がありますが、国家や組織が
覚ったり解脱は出来ません。
▼家も家族も覚れません。覚れるようなら出家の必要もなくなりま
す。安心はとても難しいことです。
▼住みやすい国、平和な国、便利な国、福祉の充実した国などと望
ましいことは言えても、一時的なもので、比較的という程度が正し
い受け止め方でしょう。
▼良い家族、繁栄する組織、便利な都市も同じように大きな揺らぎ
の巾の中にあります。
心配が無い、温和な家庭も文字遊びのようなものかも知れません。
■私は決して悲観論者ではありません。どちらかと言えば楽観的に
物事を考えるところがありますが、無い物ねだりには困ります。
対応が出来ません。
▼万古不易(ばんこふえき・何時までも変わらないこと)や恒久平
和などは不老不死の薬のように求めても得られぬものです。
■成功する人は沢山いますが、賢明な親は先ずいないと知るべきで
す。成功するには刻苦精励、剛健弘毅、質実勤勉、団結奮闘、報恩
積善、持戒堅固など多くの美点に加えて大きな「運」をもっていま
すが、子供にとって決して望ましい親でもなく、どちらかと言えば
子供の教育には大変な手抜きが横行している場合が多く、望ましい
父親とは言えません。
これは大変に気の毒なことですが、多くの子供にとっては迷惑で
耐えられないような存在であることが少なくありません。子供がこ
のことに気付けば良いのですが、理解力の無い子供や、大人に成り
きれない子供は凄まじい憎悪すらもちます。
▼同時に親にも似ぬ賢明な子供が出来ることがありますが、親はあ
れよあれよと思う間に子供は親の願う以外の方向に向けて走りだす
ことが多いようです。
▼不幸を大きくするのは親子の智能や教養の差が大きな場合です。
近親憎悪はメラメラと燃え上がり日常茶飯時のことが炎に油を注ぐ
ことになります。
▼このような家庭不和も多くは一対一ではなくて、父親対母親と子
供のような争いが多いようです。
▼母親は怠惰を保護するように本能的に動く場合が多く、この場合
は父親の勤勉さが母と子の笑い物になっていることもあります。
▼勿論、家庭の主導者は母親である場合もあり、逆の例もまま見か
けることがあります。
おじん臭いから始まる親不孝
老人臭を排除したい得手勝手
■男性用消臭商品がヒットしている。良く働く男は良く汗を出す、
この汗に微量に含まれる脂肪酸などが皮膚表面に常在する細菌によ
り脂肪酸が低級脂肪酸に分解されて揮発性のカプロン酸などの臭い
の元になる。脇の下が臭うのはアポクリン線という汗腺が多くある
ことはよく知られている。
臭いは頼りになる人、好意を持つ人のものはあまり気にならない
が、敵意をもつと「おじん臭」と受け止められる。
主人の下着や父親の下着を火箸で摘んで洗濯槽に入れる妻子の姿
を想像すれば、男であれば反乱を起こしたくなる。実は妻子の反乱
が先に起こされているのが実際。
おじん臭い原因は口にもあってニンニク・酒などは論外として、
加齢とともに歯周病などで歯肉溝から滲み出る分泌液が細菌で分解
され腐った卵や魚のように臭う。
中高年になると殺菌効果のある唾液の量が少なくなる、その他に
も口臭の原因は多い。
臭くても臭いと言わないのが礼儀のようなものだったが、若者が
平然とそれを口にするようになって、体臭や口臭の管理が必要にな
り始めた。最近は良い下着や制臭剤が商品化されていますので、上
手に使いたいものです。
中高年に限らず、若者を寺に宿泊させることがありますが、風呂
に入れて寝ささないと、シーツを汗が染み越して、下のパッドにま
で臭いが付いて、その事柄が原因となってお世話係から総スカンを
食うこともあるようです。
お坊さんも汗をかきますが、臭いの管理には相当神経質で、日に
二、三度のシャワー、制汗剤は勿論、香料などは欠かせません。
▼臭いと言われたら好意は持たれていないことを知っておきましょ
う。男女共々です。
女性と男性の寿命差十年異なる
生涯に二度の結婚を考えてみる
■日本の結婚は高学歴ほど晩婚化の傾向が著しいようですが、男性
が年下を娶る傾向は矛盾があります。女性の方が十歳は長生きする
という統計があります。
同じ年齢でも女性は十年は後家で過ごさねばならない、これは気
の毒です。二度と結婚したいとは思わない、男にはこりごりしたと
言われる女性が多いようです。
▼出来れば人生をもう一度やり直すくらいの考え方をもたれて是非
とも再婚されることを勧めます。
▼人間の平均寿命がこのように延びるとは佛教も道徳も予測してい
ませんでした。年寄りは年寄りらしくなんて大変な侮辱です。定年
を六十五歳にしたくらいでは解決の糸口にもなりません。
私はお大師さまより長生きをすることは考えていませんでした。
ですから五十二歳で住職を引退しました。それで生涯については大
体締め括りが付いたと思っていたら予定より既に四歳も多く生きて
いて、周囲にも長生きをされる人が増えて来て、老後という人生の
後半についていろいろ考えました。
配偶者に先立たれて、子供にかまってもらえなくなって、その後
をどう生きられるか、簡単に考えれば、自分の年齢を三十歳くらい
少なくして行動すれば大概の悩み事は楽しみに変わります。
■単純に六十六歳である私が三十六歳であると仮定するならば、世
渡りの知恵は相応に付いていますから、四苦八苦は著しく軽減され
ています。人生を知恵をもって遣り直しが出来るとしたら、過ちが
少なく、より充実した生涯が送れるかも知れません。
▼そのように考えれば若い友達、友達と言えるかどうか分かりませ
んが、そのような付き合いが沢山あって、どのようにするか別の考
え方が出来そうです。
▼多くの高齢者の方々に気分を若く持つように勧めています。もう
人生は済んでしまったと考えられると、覇気が無く、勇気が無く、
夢も希望も無いような、何事にも興味を示さず、ただ死ぬのを待つ
ような日常は改めて頂きたいと願うのです。
もうすぐ秋のお彼岸ですね
彼岸には何か目標を立てて
■お彼岸は河の向う岸のことで、生死の海を渡って到達する終局・
理想・悟りの世界などを示す佛教の法会のことですが、ここでは
六波羅蜜があれこれと難しいことは言いません。
▼皆さんは各自が善悪は心得ておられるので、悪しきことは止め、
善きことをする日常的な目標を立てて下さり、彼岸を目標に到達す
る実践の第一日として下さい。
▼お彼岸は春秋一年に二回もあって生活を見直したり、改善目標を
立てたり、目標到達度を点検するとても良い機会になります。
■彼岸に目標とし点検したいもの
一、教育基本法は親御さんも学校の先生も丸暗記する目標を立て
て胸中に明記し、どのように具体化するか生涯の宿題にする。
一、他人を騙さない。
一、嘘を言わない。
一、返せないお金を借りない。
一、軽々しく性的関係を結ばない。
電車の中で痴漢行為を働いたり、風呂場を覗いたりしない。
一、背筋を伸ばす。
一、出来ないことを出来ると言わない。
一、親孝行を考える。
一、争いある時は和解の機会に。
一、真面目に仕事をする。
一、他人の悪口を言わない。
一、自転車を盗まない。
一、万引きをしない。
一、恐喝をしない。
一、弱い者をいじめない。
一、相手の話を良く聞く。
一、危ない遊びをしない。
一、落書きをしない。
一、夜更かしをしない。
一、携帯電話で話しながら自転車や自動車の運転をしない。
■あまり難しいことは考えても実行出来ません。前に上げたこと
ぐらいが出来ないようでは人間の尊厳は到底保てません。
▼もう少し高度な目標として。
一、一時間くらいは集中して物事が出来る。
その間に歩き回った り、飲食しない。
一、公園などの設備を壊さない、ゴミを放置しない。
一、団体の一人として行動が出来る、
整列したり行進したりする際に見て美しい行動が出来る。
一、与えられて宿題をやりあげて誉められる程度に努力する。
一、服装をきちんとする。
一、挨拶が出来るようになる。
一、勉強や仕事を一生懸命にする。
▼これくらいは徳目と言えるほどのことでもありません。
一、兄弟仲良く助け会う。
一、親の言いつけに従う。
一、先生の命令に従う。
一、目上の人に尊敬の念を払う。
一、隣近所と仲良くする。
一、自分の周囲を綺麗にし、出来れば公園、学校なども綺麗に
するよう心掛ける。
一、相手の立場で考えて行動するよう心掛ける。
■教育勅語が教育現場から除かれて教育基本法が施行されました。
戦後の教育は絶対に成功であったとは申せません。子供に徳目教
育がなされていない、親も徳目をもっていない、先生も駄目。
今、日本人の一人一人が個人の人権の尊厳を守ると同時に公共心
の高揚に努めなければ日本は駄目になります。
▼私は戦前の軍国主義教育の中で幼少期を送りました。決してそれ
を賛美する立場はとりません。
しかし「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成
を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造を
めざす」教育基本法の精神は、個人が自分の欲するままに何をして
も良いのだと曲解されてしまったように思われてなりません。総じ
て多くの子供も教師も大人たちと言う社会も自堕落になりました。
日本は欠陥マンションのようで
さりとて継ぎ接ぎで住むことも
■新幹線のコールドジョイントのコンクリート剥離で、日本の土木
工事は相当いい加減なものであることが知られつつあります。
コンクリートに用いられた砂に塩分が多量に含まれていて、鉄筋
を錆びさせてしまい、鉄筋は膨張してコンクリートが剥離して、マ
ンションは徐々に崩壊に向かい住めなくなる。
■購入直後はピカピカで、早くて二、三年、どうかすると十年も経
過してから鉄筋の膨張とコンクリートの剥離、筐体のひび割れが進
行するのですから始末が悪い。
鉄筋が腐食してひび割れが生じていたり、かぶりコンクリートが
剥離している場合は、かぶりコンクリートをはつり落とし鉄筋を露
出させて後錆落としを行い、防錆塗装を塗って、その上に良質のポ
リマーセメントモルタルなどのパッチング材で埋め戻しを行い、全
面的に下地調整材塗りを施して適切な仕上げを行うと良い。
要はひび割れる毎にコンクリートを打ち直せと言うことだが、日
本の現在と非常に良く似ている。
▼総じて日本は上手く行っているように私は思います。政治も経済
もいろいろと上手く行っているがひび割れが絶えない。
※人間と同じように、組織も国家にも生老病死はあります。組織も
国家も時としては人よりも寿命が短く、或いは長く、組織や国家の
興亡はその中に居る人々を巻き込んで四苦八苦するようです。
道徳的なもの、侵略的なもの、平和をもたらすもの、主導権を持
とうとするものなど、まるで人の煩悩の如く。
※人の好み、人の争い、何故に、人は人を疎外し、差別し、規範に
閉じ込め、自ら苦しみを招き、その苦しみを増幅させるよう動くの
でしょうか。人の心は計り知れず、時として、悪い方へ悪い方へと
転がって行きます。少しばかり寛容で和解する気持ちをもち、相手
の立場で考えるなら苦しみが少なくなります。
※彼岸には「涅槃」なんて究極を考えず、身近なところから、日常
生活から「嘘をつかない」というような簡単な「目標」から始めて、
徐々に向上するよう努力してもらいたいと願います。小さな善意か
ら、順を追って善意の輪を広げる、そのように考えて皆さんが幸せ
に生きて行かれるように願っています。
※日本は世界中で最も整備され近代化され、快適で住みよい国です。
どの国でも欠陥はあります、日本の欠陥は比較的に小さい。ですか
ら微調整を続けながら、善い国家として存続して欲しいものです。
国家の存続は一重に教育の如何に掛かっています。善い国家であ
り続けるためには次の世代の教育が大切です。
Kanjizai index|9908|99-10|
e-mail:kanjizai-s@kannon-in.or.jp