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 世紀末現象は理解出来ぬことが多過ぎる ----1999年8月        月刊「観自在」巻頭の言葉より  住職/高田寛恵  国債の発行が四千三百兆円で、その上に景気対策で三十兆円くら い追加されるとか、これは単純計算すると大人も子供も含めて一人 四百万円くらいの借金と思っても差し支えないのだろうか。蛸(タ コ)が自分の手足を食って生き延びているように例えてはいけない か。  来年の失業率は五%を上回る予想とか、学校を卒業しても仕事が ない、気の毒なことだ。リストラも進むだろうから中高年の再就職 は極めて困難なことに思える。  2001年の三月から金融機関が破綻した場合は一千万円以上は 保証されないペイオフの制度が発足するとか。選別の判断が難しい。  預金の金利が低いので株式投資の方へお金が行くという話も聞く が、これは完全に自己責任として昔から定着している損得の話。  右肩上がりが当然のこととして組み立てられた年金制度が適切に 機能しなくなっている。預金金利は史上最低、貯蓄をどのようにす るか不安をもっている人が大半。  少子高齢化社会で来世紀は日本の人口が半分くらいになるとか。  お盆になると家族が郷里の家に集まって団欒(だんらん)し、ご 先祖の供養が出来る風習が何時ま続くか予想も付かない。  欧州は一応の安定をみたようだが、アジアの揺らぎと緊張の狭間 の中で日本はどう生きて行くか。  規制緩和と国際化の中で、日本の近い将来に明治維新を上回る大 波乱大激動が起きつつあるように思えてならない。  核保有国の大国中国、インド、パキスタン、ロシアなどに囲まれ るように存在する日本列島、北朝鮮のミサイル開発問題など、今世 紀中に軟着陸を期待したい。  去年の夏も暑かったが、今年の夏も暑そうに思う。 日本はどうなるの  マツダがフォードの傘下に入り社長さんはイギリス人。ニッサン とルノーの提携。イギリスの通信会社が敵対的株式の取得で日本の 通信会社を傘下に。経済のことは良く分からないが、日本民族とい う感覚では物事が考えられなくなった。敏感に慎重に。
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