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葬儀や法事は情で思い入れを込めて執行する----1998年12月  先代(鈴之僧正−すずのそうじょう)は佛事を営むにあたり、 極めて僧侶の心を大切にされている。  葬儀を執行するにあたっては遺族と心情を共にして、亡き人を 悼(いた)み、遺族の行く末に幸多からんことを切望して導師を 努められた。  法事には亡き人の菩提を弔い、来世の幸を期待し読経された。  縁日には、そのみ佛さまの加護に感謝し、より多くの慈悲が信徒 にもたらされるよう祈られていた。  祈願も供養も施主(依頼者)の気持ちになって拝まれていた。  鈴之僧正はみ佛に仕えるにあたり、親に仕えるように気を配ら れた。  香華飲食(こうげおんじき)は常に新鮮で良い物を選んで供え、 香の如きは純金よりも高価な伽羅(きゃら)を使用して惜しまれる ことがない。  日常はみ佛の加護に包まれて、思うように物事をなされた。 多くの不思議や奇跡を見て、高徳な僧侶は此(か)くも自由で自在 で常にみ佛のご配慮の許(もと)にあるのだろうかと羨(うらや) ましく思っている。  鈴之僧正は常に慈悲を信徒にもたらすことを大切にされる。 慈悲とは信徒の立場で考えて、それから行動することで、それほど 難しいことではない。  例えば、到来物の松茸があるとする。ああ美味しそうと寺の中で 全部消費してしまえば、無慈悲なことになる。さりとて信徒全部に 配ることは出来ない。  このような時には、たまたま来合わせた人を佛縁のある人として その人にも分ける。  鈴之僧正が出掛けられると、お土産があることが多い、このよう な時に寺にお越しの信徒は佛縁がとても篤いと思う。  年を送り、新年を迎えるにあたり無欲で常にみ佛と信徒さまの 幸せを祈ってありたい。 慈悲と佛縁 「慈悲」とは相手の立場で考えて行動することを指す。 「佛縁」とはその思いやりに触れることである。毎日三座丁重に礼拝 して怠らないのはみ佛の加護を頂くためである。 「加護」とはみ佛の存在を実感して幸せな日々を送ることで、慈悲を 感じ、慈悲を行うことである。
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