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いたわり、いつくしみ、思いやりで生きる----1998年11月  中秋の名月が東の空に美しく輝くのを兄(法主)と一緒に鑑賞した。  月に満ち欠けがあるように、人生にも円満に輝く真円の時と闇夜が ある、経済も同じようなもの。  太陽も月も子供のころと変わりなく輝いている。次の二十一世紀 も同じであって欲しいと思う。  最近の空は昔と異なって照明で明るく、大気は排気ガスで汚れて 空も曇っているようだ。  環境を大切に、資源を大切にしないと、私たちの見ているような 美しい中秋の名月は見れなくなるかもしれないと心配になる。  家族や人や動物に思いやりをもつのは易しい。しかし、自然に対 しての気遣いをもつのは難しい。  今年は経験のしたことがない異常気象で世界的規模で災害が起き て、多くの人が災厄を受けた。  加えて、経済危機も世界的規模で、深刻な状況にある。  いたわり、いつくしみ、思いやりも広い範囲で、注意深くはらわ ないと人々に不幸が起きるように思えて仕方がない。  一切衆生悉有佛性(しゅじょう・しつう・ぶっしょう)生きとし 生けるものはすべて佛(ほとけ)となる性質を内に持っていると涅 槃経(ねはんぎょう)に説かれているが、地球も月も、目に見える 一切のものに対する私たちの態度が、今後の世界の在り方に重要な 課題を示していると思った。  少し話を難しくしたが、要は全ての存在を御佛(みほとけ)様の ように敬虔に思い、生かしきることが大切で、小欲知足で、全てに 平等で、深い配慮をもつことが大切で、そのことが地球環境や子々 孫々の営みに平穏をもたらすことである。  出来るだけ早く経済状態が危機から脱し、日常四季が温和である ことを心から祈る。 仲秋の名月 旧暦八月一五日の夜は、秋( 旧暦七・八・九月) の最中(もなか) に当るから仲秋(ちゅうしゅう)といい、また、月に芋を供える ので芋名月ともいった。古来、観月の好時節とされ、月下に清宴 を張り、民間では月見団子・芋・芒(すすき)・秋草の花などを 盛って月を祭った行事。
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