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巻頭の言葉(今月の法話)  平成13年・2001年5月号   [巻頭の言葉 4月号][6月号]

 −いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える



安芸灘地震が忘れた頃にやって来た   観音院住職 高田寛恵

 三月二十四日午後三時二十八分頃、午後の法要を終えた直後に大
地が揺れた。
 初めは発電機が回転するような音がして、やがて東西方向に激し
く振れ、常夜灯が倒れ、佛具に付いている瓔珞(ようらく)がばら
ばらと落ちて来た。
 本堂に居た人を外部に誘導し、これが前触れなら相当大きな本震
があると思って覚悟を決めたが、やがて収まり、寺全体を点検、墓
場の石塔が六基倒れ、霊廟(れいびょう)では小さな線香立ての香
炉や花瓶が散乱していた。後片付けが大変になりそうだ。

 テレビを点けると地震速報が流れていて、震源地は安芸灘、広島
は震度六弱とか、お年寄りの家に連絡を始めたが、直ぐに繋がらな
くなり携帯も駄目になった。電話が繋がるようになると安否の問い
合わせが殺到、メールも多くて一生懸命に返事を書いた。
 新幹線も翌朝まで不通、在来線も駄目、場所にもよるが、観音院
の近くは停電断水も無く、瓦が落ちた人たちに青いビニールシート
の備蓄してあるものをあげた。
 運転中の新幹線に乗り合わせた人は脱線するかもしれないと恐怖
を感じられたという。
 死者二名、百六十一名の重軽傷と報じられ、六千戸以上が損壊し
たこの地震に「平成十三年芸予地震」と名付けられた。
 安芸灘を震源とする地震は千九百五年、四十九年と、五十年から
百年に一度の経過でマグニチュード六以上で起きている。

  災難は善人悪人を問わず平等に訪れる。わけても地震は予知が難
しいらしい。しかし日本は世界有数の地震国であり、災難は何時起
きるかもしれないと思いながらも、災難が降り掛からぬように祈り
ながら生きて行きたい。

災難は忘れたころに

地震の研究は一生懸命にされているようですが、未だ予報とまで
は行かないようです。余震はまだまだ続くと思われます、いずれ
収束しますが、油断は禁物、梅雨に向けて注意をしてください。


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