連休や五月を過ごすときのアドバイス、厭世的な気分や悩みを乗り越え、前向きに生きる気持ちを
鈴の 法話 (5月号-3)


 気を付けて乗り切りたい五月の落ち込み
         長い連休は孤独感や挫折感を増幅する

             観音院 法主 鈴之僧正

 4月の24日の金曜日から5月の5日まで、学校や勤め先が長い
ところでは十二連休になることが予想されます。
 毎年、連休が済むと「退学したくなった」とか「会社に行くのが
嫌になった」ので、どのようにしたら良いかという相談がたくさん
あります。
 多くの原因があって、原因となる幾つかの典型的な例があります
ので、無事に乗り切るためには、消去法で避けるのが連休を無事に
過ごす方法に役立つと思います。

 多くの場合、連休前の新しい人間関係の中で自己紹介をする機会
があって、自分の能力を過大に申告した、自己紹介を上手く出来ず
失笑をかった。一緒にされた人たちの中に、嫌な人がいた、友人が
出来なかった、などの理由を聞きます。

 このような自己紹介の失敗は、誰にでも有りがちなことで、本人
が気にしているほど、周囲は気にしていません。
 ですが、自己嫌悪(けんお)に陥(おちい)ると際限が無く、何もか
も嫌になって、やる気を失い、結果として、本人では収拾がつかな
くなります。

 適切な考え方は、本人が思うほど事態は悪くなっていないことを
理解すること、誰にでも失敗はあるということ、それに、過ぎ去っ
たことは、周囲は、本人ほど深刻ではありませんから些細なことと
して忘れてくれるものです。
 元気を出して職場や学校に復帰する方向で決心して下さい。

 問題になるのは、本人が孤独であること、復帰の決心がつかない
時です。そのような時には早めに相談に来て下さい。
 いろいろと話して下さるなら、気分が落ち着き、気持ちが楽にな
ることがあります。私たちは、話を聞いて上げる用意があります。
 不眠の状態が続いている、脱力感が続く、やる気を完全に喪失し
ている場合は、心療内科で診断を受け、処方を受けると、心配した
ほどのこともなく良い結果が得られる場合もあるようです。
 連休の期間に遊び過ぎて、疲労が回復していない場合、回復次第
に元の人間関係に帰る勇気が必要です。ここで「もう嫌だ」と思い
つめられると、結局は逃避する性格、辛抱出来ない性格など、その
後に複雑に影響します。

 これは別の場合ですが、例えば高校を良い成績で卒業し、希望す
る大学へ合格した場合などです。
 高校時代はトップだったけど、大学では周囲が高校では皆トップ
だった場合などは、高校時代とは違った環境になります。
 職場でも同じことが言えます。大学を良い成績で卒業して、希望
する職場に就職できた場合、周囲の人は全部の人が大学を良い成績
で卒業している。
 トップの人が普通になると、環境は激変するわけですから、相当
謙虚になる必要があります。
 自分は何でも出来る、自分は優れていると思っている時、自分よ
り優れた人に出会うと、どのようにすれば良いか混乱します。
 このような立場に置かれた時に競争を開始するか、敗北を認める
か------、そのように考えずに、協調することや扶(たす)けあうこ
とを考えてみて下さい。相手も相当疲れていることを考えてみて下
さい。あなたに思いやりが必要なように、相手にも思いやりが有り
難い筈です。

 いろいろな心の揺れがありますが、死にたいと思ったら、家族と
話し合って下さい。家族の理解が得られないと思うなら、観音院に
来て下さい。いくらかの力になれると思います。
 連休は失業している人にとっても辛い時期です。就職活動がした
くても、会社は締まっています。
 世間には連休に楽しんでいる人が多い…、我が身に引き替えて、
羨ましくなったり、惨めに感じたりします。特に家族が旅行にでも
出掛けて、留守番をする立場などは堪らない辛さがあると思います。
 そのような時には、観音院に電話を掛けるなり、話しに来て下さ
い。少しばかりの気休めにはなります。

 人間は怖いことですが、死のうと思えば、誰でも死ぬことが出来
るようです。だから、死ぬことを考えてはいけません。死んだ人が
生きていたらと言う仮定の話は絶対に成立しません。
 この月刊「観自在」が郵送申込みの方は、お手元に届くころには
連休が始まっています。
 お暇でしたら、私方に遊びにお越し下さい。私は年寄りですが、
若い人たちとも、仲良くしています。仲良くし過ぎて、来客が混み
合うこともありますので、お越しになる前に電話で確かめて下さい。
留守にしてると申し訳無い。

※毎年のことですが、躁と鬱の季節です。今年は暖冬のせいか例年
よりは早く、ご家族もお困りのようです。早期に兆候を見出して、
適切な配慮をすれば、無事に乗り切れます。ふさぎ込んだり、怠惰
になったり、やる気が無くなっている--、そのような場合は早めに
相談に来て下さい。お力になれましょう。

※重症の場合は、医師の診療を受けることをお勧めします。考え方
を変えるだけで、簡単に良くなる場合もあります。
 頑張れとか、元気を出せ、と言うことが逆効果になることもあり
ますので、ご注意を。先ずは冷静に話を聞くこと。

※自殺をしたくなったら、即座に観音院へ連絡して下さい。誰でも
自殺はできますから怖いのです。自殺も一つの選択なんて考えたら
魔が差しています。生きていれば良いことも悪いこともあるけれど、
自殺には先がありません。
	
		
   お年寄りに親切にする活動         無料の買物代行など考慮中  本当は全国規模でやりたいのですが、取り敢えずは広島市の中区 と西区を対象にして、買物に出歩けないお年寄りのお使いを無料で 観音院の職員がすることを計画しています。  お買物に限らず、何かをしたいけれど、身体が不自由で--、その ような時は、何をしたいのか相談して下さい。出来ることは無料で させて頂きます。  極端な話、遺言をしたいけれど、どうして良いか分からない。そ のような場合は弁護士さんの所まで連れて行って上げて、遺言書を 適切に作れるよう相談に乗ってもらい、それから公証人役場へ連れ て行って上げて、公正証書の遺言状を作るまでのお世話、くらいは して上げられます。  この場合、車の手配や付添いはして上げますが、弁護士さんと公 証人の費用は寺で負担して上げることが出来ません。  いろいろと親切にお世話をするよう職員が研修中です。ただし、 お寺を遺産の受取人なんて話は受けかねます。遺産目当てと誤解さ れるようなことが有ってはならないので、これは禁止事項です。  御用の受付は午前中、午後三時以降から出掛けることが出来ます ので、お伺い出来るのは午後四時ころ、一日に一人で二軒か三軒し か回れませんので、全部の職員を動員しても一日に三十軒くらいで す。善い事であれば、喜ばれれば、ボランティアも増えると思いま すが、それは成り行き次第で考えたいと思います。  お買物の代行は近くのスーパーで済むようなものなら、先ず電話 で説明して下されば、立て替えて買ってお持ちします。  このようなことは、実は今でもしているのですが、更に充実させ るため皆さまのご要望やご意見をお聞かせ下さい。 ※お年寄りに親切にする、これからの大切な課題です。死んだ後の 葬儀を全部して上げるくらいは易しいことです。  むしろ、生きている内に寺と関係をもって、寺のお年寄りのため に用意したサービスの機能を利用して、より豊かな老後を楽しんで 下さい。生きているお年寄りを大切にしたいと考えます。                  −月刊観自在98.5月号-3より−

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