観音院では実際に毎日3回、ご法要,法話が年中無休で行われています。
日常語でとても分かり易いお話、人間関係をはぐくみ生きる指針となるご法話です。


和尚(おしょう)さんのお話「98年4月」 法話総目次

むかつかない、きれない、怪我させない、殺さない(98.3/24掲載)

                観音院住職 院主(いんじゅ) 高田寛恵

 むかつく、とは人に対する感情としては極めて暴走している。
 きれるとは、感情の制御ができなくなった状態、ナイフで刺すと
は常軌(じょうき)を逸(いっ)している、人が死ぬ。
 限られた青少年の存在ではあるが困ったことになった。
 その結果、学校に刃物をもって行ってはいけないらしい。実際に
こう頻繁に事故が起きては仕方のない決定かもしれない。

 今から三十年くらい前までは、小中学生は鉛筆箱に切り出し小刀
をもっているのが普通であった。
 鉛筆を削ったり、模型飛行機を作ったり、工作に刃物は不可欠で
あった。最近の学校は鉛筆削りが備えつけてあって、工作も無いの
だろうか。

 刃物は生きて行く上で大切な道具であり、どれくらい力を入れれ
ば、どの程度切ることができるか知っている必要がある。
 刃物の使い方、刃物の切れ具合を知らない者が、刃物を持つのは
怖いことだ。

 そこに、人間関係の終りを表す「むかつく」こと、体の内から怒
りや吐き気が突然にこみ上げて、刺したり、結果として殺したりし
てくれては、これは困る。
 原因の全てを家庭に求めるのは酷だが、子供のわがままや甘えが
罷(まか)り通っている。思うようにならない子供の大量発生だ。
 子供の虐待はとんでもないことだ、しかし、躾けは大切である。

 育て損ねた子供で心痛する親の気持ちは理解できる。それだけに
幼児期に躾けとか、親子のスキンシップを大切にして、子供さんを
育ててもらいたい。
 今年が無事でありますよう一生懸命に祈らせて頂きます。全ての
家庭と子供が平安で、ご守護がありますように。


  忍耐と維持を教える

 最近の青少年は忍耐心に乏しい。我慢することを知らない。
物事を継続してやり遂げる能力が欠けるようだ。授業について
行けないで退学する子供も多い。社会的な問題と我が子の問題
を責任転嫁しても解決にならない、心痛は家庭内のことである。


法話総目次


ご感想やお便りはこちらに(和尚さんの法話宛て)


[観音院 Home Page] [月刊目次観自在] [寺子屋掲示板]