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和尚(おしょう)さんのお話「98年2月」 法話総目次

 「その場その場に応じて最大の努力を  (98.1/17掲載)

                観音院住職 院主(いんじゅ) 高田寛恵

 経済の成り行きとか、環境の変化とか、大きな渦(うず)に巻き
込まれたようで、なるようにしかならないと諦めている人がある。
 私たちが置かれている現在は、短い期間で見れば、諸行無常(しょ
ぎょうむじょう)というほどのことでもなければ、四苦八苦(しくはっ
く)というほどのことでもない。

 諦(あきら)めが肝心と言われるが、この程度のことで投げ出して
はならない。足掻(あが)けば足掻くほど沈むと言う考え方も一理あ
るが、それでは拝むことも祈ることもない。
 出ずるを制し、入るを量り、周囲との調和を考え、必要とされる
ものを考え出し、それを世の中に問うならば、その人は、その組織
は必ず大きくなる。

 環境も同じである。見かけは地球的規模で起きていることではあ
るが、人類が自覚すれば環境の汚染は防げる。忘れてはならないこ
とは、一人一人の自覚が大切ということである。
 水を汚さないよう、大気を汚染しないように私から、個人の自覚
から出発しなくてはならない。
 個人の合計が人類で、人間はと言う時に、自分はと同時に考えて
行動することが問題の解決になる。

 物を大切にするという単純なことが、ないがしろにされて消費が
奨励されたりするのは未だしも、物が粗末にされ過ぎている。
 膨大な自転車が乗り捨て同様に扱われて、そこら中の川底に沈ん
でいる。自転車ばかりか単車も捨てられている。
 使える物がゴミとして焼却されたり埋められたりしている。

 質素とか節約とか、物を生かして使う考え方が大切だと思う。
 自分の周囲を見回して、無駄を省き資源を節約して、そのことが
地球を大切にし、経済を回復させることにつながる。


  徹底して大切にする

人間が今ほど資源を浪費している時代は過去に無い。美食を避け、
粗衣に耐え、物を大切にし、節約し、他人を思いやり、教養や作法
を重んじ、日の恵みに感謝し、名誉を思い、恥を知り、人間はいか
にあるべきか考える時が来ている。



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