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2000年10月
死んだらどうなるのか、考えていますか
月刊「観自在」巻頭の言葉より 住職/高田寛恵
桃の天然水という清涼飲料水が売られていますね。あれは日本
たばこ産業が各地の工場の敷地内の地下水をポンプで汲み上げて、
糖分や果汁や香料を加えてペットボトルに詰め込んだものです。
最近の天然水系統の飲料はミネラルウオーターの親戚のように思
われていますが、年間に千四百万ケースも出荷されています。天然
水というのは皆似たり寄ったりのもので、日本たばこ産業だけが可
笑しいのではありません。
天然とは人為の加わらない自然のままの状態で、人力では如何と
もすることのできない状態のことをいいます。人工とか人造のもの
は天然とは絶対にいいません。
太陽も地球も天然自然のもので人間も皆さん天然です。地球は惑
星で恒星である太陽の周囲を公転していて、水星・金星・地球・星・
木星・土星・天王星・海王星・冥王星などはお友達です。
月は地球の衛星で子供みたいなものです。距離が近いので潮の満
ち干きなどを起こします。これらは天然自然現象です。何処かに天
国や極楽があるかもしれないし、地下に地獄があるかもしれない。
人が亡くなると霊魂は天国か極楽か地獄に行くと信じられていま
す。どのような精度の高い望遠鏡でも天国は見えないし、どのよう
に深く掘っても地獄には着かないことは皆さんご承知です。
天国や地獄極楽は天然自然ではではなくて、どうも天然水のよう
なものかと思えてならない。
私は軽々しく極楽を説いて現世を粗末に考えるようなことはした
くないし、地獄に落ちると脅迫をしたくない。十善戒のお寺として、
人間は如何に生きると倫理的で高い確立で幸せと平安が得られる
か説いて行きたいのです。
観自在インデックス| 2000-09|2000-11|
観音院
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