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法主さんの日常 その3    (2002年3月号) [2月][4月]
     −いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える


法主さんの日常 その3 (2002.3 新シリーズ連載3)

「 公私混同を無くすのは簡単
          個人の部分を無くせば済む 」

 観音院の法主さんは、義理とか人情の世界では生きて居られませ
ん。私的な人間関係も皆無にお見受けします。世間で大切とされる
性格、優しいお父さんとか、優しいご主人ではありません。
 適切な表現は「僧」という立場で生きておられるようです。俗に
言われる生死を超越しておられるのでしょう。

 親族の冠婚葬祭に出席されることも全くありません。必要な交際
は住職夫妻が代行されています。

 再三指示されていることは、霊魂がこの世を去った時に葬儀告別
式をしてはならないと言い付けられています。
 定例法要で荼毘(だび)に付し、皆さんから何か願望ででもあれ
ば受け付けられるそうです。
 魂魄をこの世に留めて、涅槃(ねはん)に赴くことなく、皆さん
のお役に立ちたいと言われてます。形見?として、既に舎利塔に昔
に抜けた奥歯を納めて厨子に入れておられ、台座には本当の歯が入
れてあります。

 三百六十五日、在るがままに、年中無休、業務に精励しておられ
ます。最近、法主さんのファンが昼食を几帳面に差し入れて下さる
ようになり、一日三食の日が多くなりました。お蔭様で健康状態が
改善されたと聞いています。

 痛いところは何処も無い。風邪も引かぬよう健康管理に留意され
てます。
 悩み事も心配事も欲しいものも、したいことも何も無い、不自由
なことは一切無い、日々生きていることが有り難いと感謝しておら
れます。

 法主さんは特定のテレビ番組を見られることはありません。放映
時間に拘束されるのを避けておられます。新聞や週刊誌も同様で、
寺で決めて購入されているものもあるのですが、気が向かないと目
を通されません。
 「縁が無い情報」というものもあるそうで、知識欲と言ったもの
も、もしかしたらもっておられないのかしれません。

 普通の寺と異なり、物凄い量の手紙が届きます。特にメールでの
相談が多いようです。その一つ一つに目を通して返事を書いておら
れます。単純な内容のメールは十五分以内に返事を書くことを心掛
けとしておられます。
 宛先 "鈴"
 死にたいという文言を含んでいるとメールボックスから自動的に
削除されますのでご注意ください。
 複雑な内容は専門家と相談されますので、若干の日時が必要です。

 法主さんは手当の大半はそのまま檀信徒さんの接待費など寺のた
めに使われていることが多く、日常用品には年金を充当しておられ
ます。
 尤も、法主さんはご自分のランニングコストの節減に努められて
います。
 生命の維持に関する費用、食費とか医療費なども節減に努めてお
られまして、信徒さまからいろいろご心配いただいて、沢山のサプ
リメントが寄せられます。努力して服用されていますが、もうぼつ
ぼつ限界だと思います。

 衣服についても、わざわざ百貨店に法主さんを連れて行って、い
ろいろと拵えてくださる方があって、大変に感謝しておられます。
ただ、これらの多くは一度ほど着用されて、それから信徒さまに差
し上げておられます。
 法主さんは掃除洗濯など身の回りのことは全部一人でなされます。
にも関わらず、冷蔵庫や箪笥の中身に手を出されません。ご自分の
物とは思っておられないのです。バレンタインのチョコ同様にご
慮ください。身に過ぎて勿体無く感じておられます。生きている人
と思わないで、仏さんと同様にして上げることが適切だと思います。

 誤解が無いように説明しておきますが、「神になろうと」してお
られるのではありません。仏教徒として日々菩薩道を歩もうと努力
しておられるだけです。
 十善戒を守ろうと努力している人は全て菩薩の列に入られる人です。
 欲望を皆滅することは難しくありませんが、ただの石ころになっ
てはいけない、究極的には慈悲深い人になって欲しいと願っておら
れます。
 人は、それぞれの場所で、十善戒を護持するよう努力することが
できます。結果として皆さま全員がこの世で成仏の兆しを体験でき
ると言われます。十善戒を護持することに精励されれば、全ての人
が平和な幸せを体験できると何時も言われています。
 十善戒は当初は自由を拘束するように思えることもあるそうです。
あれもする、これはしてはならない、よく考えると手も足も出ない。
十善戒の全ての前に「不」が付いているのです。
 よく考え、よく理解し、よく護持すれば、しだいに、大きな自由、
完全な自立が得られるそうです。

  法主さんは、不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、
不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見----十善戒を説くために生まれて
来たのかも知れないと言われます。
 そして「過ち」に対して大変に寛大です。もしかすると、私自身
を含めて、人は過ちをする動物かも知れないと考えておられるよう
です。

法主さんはお洒落だとよく信徒さんから言われますが、服装には
 全く関心をもっておられず趣味もありません。着ておられる物な
 どは全て職員や役員さんの選んだものです。

法主さんの厳しさはご自分に向けられたもので、他人にはとても
 優しく、細やかな気遣 いをしておられます。できるだけ健康で
 長生きをして下さるよう職員一同の願いです。


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