Web版 月刊 観自在 [月刊「観自在」総目次]
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仏具・お供物のお話
平成14年・2002年11月号 [仏具・お供物のお話
平成14年10月号] [仏具・お供物のお話 平成14年12月号]
−いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える−
− 大日如来さま・お初穂祭 − ■大日如来さま■
観音院の本堂の中央にお祀(まつ)りされます大日如来さ まは、真言宗の教主(きょうしゅ)でいらっしゃいます。 その名は、マハー・ヴァイローチャナといわれ、マハーは 大、ヴァイローチャナは太陽の意で「偉大な太陽」を大日と 漢訳されました。音写では摩訶毘盧遮那(まかびるしゃな)、 語意から、大遍照如来(だいへんじょうにょらい)とも漢訳 します。 お大師さまのご宝号「遍照金剛」は、伝法灌頂(かんじょ う)の時、有縁(うえん)の守護仏が金剛界・胎蔵界とも大 日如来さまであったことから授けられました。 真言密教は、第二祖−金剛薩た(こんごうさった)、第三 祖−龍猛(りゅうみょう)、第四祖−龍智(りゅうち)、第 五祖−金剛智(こんごうち)、第六祖−不空(ふくう)、第 七祖−恵果(けいか)、第八祖−空海(くうかい・弘法大師) とインドから中国、中国から日本へと伝えられてきました。 大日如来さまは、全ての、ありとあらゆる物の源(みなも と)であり、万物は大日如来さまにより構成されています。 それは、私達自身も大日如来さまの一部であると言えるかも しれません。 また、色々なみ仏さまがいらっしゃいますが、それは大日 如来さまが、そのご霊験(れいけん)を最大限に発揮出来る よう姿を変えられたもので、その様は金剛界、胎蔵界曼荼羅 に描かれています。 ■阿字(あじ)■
ア(阿) 阿はサンスクリット語(梵語)で、阿は密教において全て を超越した宇宙の源とされ、絶対なる真実を表しているとみ られています。 阿字は大日如来さまと同一とされ、阿字一字で大日如来さ まを表す種字(しゅじ)とされます。この阿字を通して大日 如来さまと一体になる瞑想(めいそう)を「阿字観」(あじ かん)といいます。
■大日如来さまのお教典■ 大日如来さまが説かれた教典の一つは「大日経」(だいに ちきょう)で、この教典の内容を図絵で表したものが胎蔵界 曼荼羅(まんだら)で慈悲の心を表します。 大日経は、お大師さまが夢で仏より御告げを受けて、久米 寺(くめでら)の宝塔の中から見つけらけたお経です。お大 師さまは大日経を知ったことで直接密教の教えを受けること を切望され、後に唐に渡られて、ついには真言第八祖となら れたのです。 もう一つは「金剛頂経」(こんごうちょうきょう)で、金 剛界曼荼羅に知恵や理性を表します。 観音院の毎日の法要でも上げられているお経「理趣経」(り しゅきょう)は、金剛頂経の影響を受けているともいわれて います。 理趣経は大日如来さまが色々な仏さまに姿を変えられた時 の功徳(くどく)が説かれていて、最後の「百字の偈」(ひゃ くじのげ)により集約されています。 ■御真言(ごしんごん)■ 大日如来さまの御真言は おん あびらうんけん ばざらだと ばん ですが、皆さん良くご存じでおあげになっている光明真言 おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん も大日如来さまの御真言です。 「まことの道」(百十六頁)には「生きとし生けるもの、 ありとあらゆるものをあまねく照らし、羽包(はぐく)み育 てる真言の教主大日如来は一切のみほとけの根本にして、わ れら衆生のみ親なり。光明真言はこの大日如来の御真言にし て、一切の苦悩を解脱(げだつ)せしめる。」とあります。 何かお願い事のある時、困難にぶつかった時、病気の時な ど「おん」の一言でも結構ですから、合掌し、または心の中 で手を合わせてお唱(とな)えされてみて下さい。必ずやみ 仏さまの慈悲の手が差し伸べられます、しっかり握ってお力 を頂かれて下さい。
■お初穂祭(はつほさい)■ お初穂祭は、ご分霊(ぶんれい)を護持(ごじ)されてい る方の特別祭で今年は十日と二十四日です。 ご分霊とは、観音院にお祀りされているみ仏さまの御霊 (みたま)を、ご家庭でもお祀りできる大きさに作られた仏 さまに、分けて頂くことです。お寺での永代供養をお願いさ れている方もおられます。 今までは、厄除大師さま、利剣不動さま、萬倍稲荷さま、 子安観音さまがお授けされてきましたが、一昨年、大日如来 さまが総金箔にお化粧直しされて以来、是非、大日如来さま の御分霊をとのご要望が多くありまして、この度「大日如来 さまの御分霊」をお授け出来ることとなりました。既に、何 軒ものご家庭に、また、観音院でのご供養もお預かりしてお ります。 この良き機会に、ご分霊を受けられたい方は、ご遠慮なく 受付にご相談になって下さい。 季節は間もなく冬となりますが、観音院では年間を通して、 真心の込められた初物のお供えが続きます。秋には新米を多 くお供え頂きます。ご奉納頂いたお初穂米(新米)は、み仏 さまのご守護(しゅご)を祈念(きねん)し、「福徳」とと もに護持者にお授けされます。 また、昨年より、お初穂祭の月、十一月にご参拝のご縁の ある皆さま全員にお初穂米の小袋をお授けしたところ、大変 好評でしたので、今年も引続きお授け致します。 ご家族、ご友人の皆さまお揃いでご参拝されて、沢山の福 徳を頂いて帰られて下さい。 ■皆さま方からのお供物は全て一番にみ仏さまにお供えされます。 遠方の方は郵送でお供え下さいます。 四季ごとに色々なお供物を賜り、海外からのお供えもあって、 み仏さまもお喜びのご様子です。 ■ご奉納頂きましたお供物は、毎日のみ仏さまへのお供えを始め、 ご参拝の皆さまへのお接待にも大変喜ばれておりまして、全国 の皆さまに厚く御礼申し上げます。
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