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最近思った事

                   (96.10.27)


 私は「可愛いおばあちゃん」になりたいと思っている。
 勿論、外見だけでなく、心の中もである。

 
その一
 先日、市内電車の中での事。
 私より年上らしき女性に、席を譲ったところ、
「私はそんな年齢(とし)ではありません」
 と睨(にら)まれてしまいました。
 
 
その二
 娘と昼食を共にした帰り、アストラムの中。
 小さな紙袋を少し離れた角に置かれていた老女に、
私の目の前に居た若い男性が、
「手に持っていたほうがいいですよ。忘れたらいけないから」
 と優しく言われた。
 ところが、「私は忘れません」、……と。
 私達は思わず顔を見合わせた。ヤレヤレ。
 自分を基準に考えるものだから、この様な事態になるのだろう。
(親切も程々に)
 皆さんは年をとっても、しっかりして居られる。
 反省しきり。

 
その三
 最近の男性はお疲れなのだろうか。
 お寺帰りの昼下がり。
 車内は時間の割には混んでいた。
 やっと席が一つ空いた。すかさず、背の高い中年男性が座られた。
 周りには、大きな紙袋を持った女性が何人か立っていた。
 その男性は、すぐさま、通路を隔てて座っている乗客の肩越しに
手荒く「ガシャ」とブラインドを下ろしたのである。
 そして自分の席に戻ったところ、以前と変らず、顔に陽が差して
いるではありませんか。
 周りの女性はさぞ、笑いを噛み殺したに違いない。
 男性は悠然と目をつむり、腕を組んで、目的地まで頑張っていた。

 
その四
 周辺の小学生ももう、運転席のある先頭車輌に殺到する様子もな
く、広々とした座席を、靴を履いた侭、ベッドのように寝そべり、
又、アトランタの「吊り輪」の如くぶら下がり、缶ジュースやウー
ロン茶を手に乗り込んで来る。
(勿論、一部の子供達の事であるが)

 でも早朝には、片隅で若い女性が弁当を食べ、化粧をしている姿
も見られるこの頃である。
 高い位置からの車窓に写る風景もまんざらでなく、下手な俳句を
吟ずるにも中々結構なものである。

 健康な明日の目覚めを夢見て
 ひとまず、静かに 合掌。

 投稿者:すみれ


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