信仰の自由と散骨についてのご相談

 (懸賞対象外)96.10.19


・・・前略・・・
 ご相談にのっていただけるのではないかと、お手紙を差し上げました。
 一つは、檀家制度についてですが、先祖から入っている檀家を抜くことが出来るかどうか、についてと、脱退についてお寺に置かせて もらっているお墓の処置について伺いたいのです。
 お寺というところは困った時だけ寄付を要請し、信徒が困った時には知らん顔。今まではここに住む以上、仕方なしと思い協力してきましたが、 今回は私の住む所は阪神大震災により多くの被害を受けました。まだ自宅の修理もなされていない家もある中、お寺どころではないというのが心の内です。
 先祖のお陰であるから出して当然、先祖をおまつりしてやっているから出して当然、それが当たり前になっているのが仏教の姿です。
 「出すことが出来ない、今自分の事で精一杯だから」とはっきり意を出すと睨まれる、何か変だなぁ、と思っても口に出してはいけない、なんて、 民主的ではないと思います。
 子供に負担を掛けない為、私達夫婦はお墓に入らず散骨という方法をとりたいと思っております。
 どうか、お墓をどのようにすべきか、お教えいただきたくお願いいたします。
投稿者:匿名希望


***鈴之僧正さんからのご返事***

「鈴」観音院ならお寺の再建は無条件で20年はプレハブハウスで辛抱す る、寄付は皆さんが再建を言われだすまで待つだろう。世話人が再建計画を立てて檀家に割り当てることもあるし、住職は慎重にするべきだと思うが、口出しはできないね。
監事:日常のお寺のサービスが悪いのは確かだと思います。この人の心はすで に寺を離れている。問題は檀家が地域に集中していると離檀は地域社会で波紋を投じることになる。寺から離れた場所に住んでおられるのなら離檀(りだん)は問題ないでしょう。日常生活に響かない。

「鈴」寺には「無縁」にして下さいと頼んでおけば、お骨は無縁墓に納めて、 お墓は撤去することになるが、普通は撤去費用までは請求しないと思いますが、それでも3万円くらいで石屋さんが引き受けてくれる筈。問題は先祖の遺骨を引き取れと言われたら持って行き場に困ってだろう。観音院で引き受けて上げられるでしょう。無縁墓に入れて寺の先祖と一緒に供養して上げることは可能だね。ただ観音院が引き受けてくれると言って下さると言われるのは困るから内緒にして欲しいですね。
監事:離檀化の手伝いをした言う評判は立っては困りますからね!

「鈴」散骨希望は亡くなられた後に骨のひらい方にコツがあって、大きなお骨 は焼き場に任せて「灰」くらいを少し持ち帰る。これなら山でも川でも海でも内緒で散骨できる。骨の形があると、どこにも撒けない。小さく砕いて、何処かの山にでも、そっと埋める。海は費用が掛る。鳴門よりもっと太平洋に50キロくらい寄った方まで持って行って撒かないとならないが、船を出してくれる人がいない。観音院なら布教船があるから島に行くついでに散骨して上げることができる。阪神では布教船を持っている宗教団体は無いから、これも観音院で引き受けて上げることにしよう。これから、こんな相談が増えるでしょう。親切に対応して上げることにしましょう。

************ 監事会決議 ************
 1)無縁のお骨を引き取って上げて、観音院の寺族の墓に入れて
   供養をしてさし上げる。
 2)散骨の希望者の要望に応じる。これらの費用は無料とする。
 平成8年10月19日決議   宗教法人「観音院」監事会
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 観音院様、ご助言有り難うございました 


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