カ ラ ス 八月ともなれば、さすがに眠れぬ夜の連続である。 夕べも何度 寝返りを打ったことか。 明け方に少し熟睡したらしく、わたし同様 喉を傷めた ような蝉の声に起こされる。 そういえば別の意味で、カラスも、猫も、あたり構わず、 すごい声で鳴き放つ。 最近のカラスは面白い。 電柱のてっぺんで、 「ココ ココ ココヨ−− コココココココ」と笑うのである。 そのうち、ごみ収集場所に二、三羽飛んで来る。 それからは、人間対カラス、猫の戦いが始まる。 いつぞやのテレビでの、カラスのドエライ話を思い出した。 カラスの目は、よく見えるのだろう。 近くの電柱の上から見つめる目の怖さを、私も感じた事がある。 何かの件で、カラスを観察して居る人の話−。 行動する度に付きまとわれ、帰宅するにも苦労したとか。 道順を変えたり乗物を利用しても、どこまでもついて来たとか。 誠にカラスは、賢くてするどい。 九官鳥も顔負けなるか。 昔、市内のある橋の上流あたりで、午後の干潮時には 必ずと 言ってよいくらい砂浜の上を、沢山のカラスが舞っていた。 上流の方に食肉用の加工場があり、小さな肉片(内臓)らしき 物が流れて来るからである。今のように設備が整ってはいなかっ たであろうから、、、、。 しかし、カラスにとっては御馳走であった。 O157等のさわぎのある今日では、考えられない光景であった。 気分的には懐かしく思い出される。 −−−−−−−−−−−−−−−− わたしの好きな花 −くちなし− そろそろ終わりになる。 小学生の頃、さほど広くもない庭だったけど、直径1メートル 余りの梔子(クチナシ)が、夕闇の中、白いレースを敷いたよう に、芳ばしい香りと共に、愛らしい表情を見せていた。 (背の低い小さな八重の品種だった。) 傍には真っ赤なゼラニュウムも、にっこり咲いていた。 梔子の 葉裏に密(ひそ)と 黒き蝶 ふじ絵