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鈴の法話 ---全てに愛を光と祈りを--- 観音院 法主 鈴之僧正 | ||||||||||||
平成13年・2001年3月号 | ||||||||||||
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その時々に事情に生活を合わせること 自分で納得できる努力と 愚痴を言わぬ 公序良俗と道徳を大切に 信仰心をもつこと 愚痴を言わぬように過去を語ることは難しい。自慢話にならない ように過去を語ることも難しい。だから何も話したくない……その ように法主さんは言われますので、毎月何かを聞き出すことは大変 に困難なことです。 「年末年始に包丁を研ぐな」怪我をするとお医者さんに迷惑を掛け る。これは観音院の決まりで、もしかすると、寺というより家訓に 近いようなものではないかとも考えたりします。理由を聞けば自分 で考えなさいと言われます。 (鈴之僧正さまのお話を要約・田川純照 筆記) 後で悔んだような話は嫌だ 明日も知れないのに将来に なるべく喋らぬこと、雄弁は銀沈黙は金などと言われますと返す 言葉もありません。過去を語るな、他人を傷つけ、自分も傷つく。 将来を語るな、明日をもしれない自分であるから嘘吐きになりかね ない。一日に職員と話される時間は十五分くらいでしょうか。 ▼過去の経験から言えることは約束を守るためには、何かをしなく てはなりません。何かをするのは人で、人は移動するものであり、 将来に向けての時間が必要です。 ■例えば、高齢者の面倒を見ると約束しているのですが、朝晩電話 を掛けて体具合を知ることは割合簡単です。遠くにいても携帯電話 で連絡できます。何かがあると、その地区のボランティアに依頼し て駆け付けてもらうことが可能です。 約束は個人では守れないことがしばしばあります。組織としての 約束なら確実性が高くなります。それには組織の運営や経理につい ての透明性が保証されていなくてはなりません。組織は個人と異な り将来にわたることを約束しても実行が可能です。ただし、組織が 運営と経理を隠蔽(いんぺい)し、だれかが恣意(しい)に私利を 図ると機能しませんので厳格で清潔なシステムが大切です。 孤独死を防ぐシステム 携帯電話を利用して簡単に ■一人暮しの方の不安は、家の中で急病になって、そのまま死んで 行くことです。亡くなられてから三日以内にお骨にしてあげること、 葬儀を執行してあげること、その後の供養をしてあげること、この 三つの約束を確実に果たしてあげる制度は日本では、よほど僻地で ない限り観音院で確立しています。 現在の課題は病気になられて、連絡を受けて、一一九番に電話し て、救急車で入院してもらう、これは全国的に可能です。その後の 介護の問題も大きな意味では心配ありません。問題は寂しさの解消 です。心の知れた人と話したい、その欲望には個人差があり、ボラ ンティアの能力にも個人差があって、ご満足の行く面倒がみれない 場合があります。広島の場合は法主さんが陣頭指揮をとられますの で、総合して完全に最後の最後まで面倒をみることが可能です。 ■実際には何処におられても法主さんが指示されることにはなるの ですが、できるなら広島市近辺に、引越しして来てくださること 約束を果たしやすい状況になります。 毎日、携帯電話に不在着信が表示されますが、これは何事も無い という確認信号です。かつ電話料も無料で優れて良い制度です。 ▼何かある時は留守番電話に用件を言ってくだされば、折り返して 電話を差し上げます。 ▼この制度は高齢者に限らず独身生活をしている人には全て必要な システムです。食中毒で動けないとか、若年者の脳梗塞なども時に はあることです。 ■いつ病気で倒れるかもしれないのは年齢に関係ありません。かつ 介護保険などとは関係のないことでであると思います。従来の家族 関係の思いやりをシステムとしてご利用願いたいのです。 被害妄想を持たれないように 期待せずにしていますから ■知り合いが病気になにれたり、その人が亡くなられたり、葬儀を したり、永代供養をするのは僧侶の当然の義務としています。 遺産を当てにすることなど有りえないことです。観音院は原則と して遺産は受け取りません。相続人たちと争ってまで遺産を受け取 ることは見苦しいことと考えています。遺すような財産は生きてい る内にご自分が納得できるよう使われるのが最善だと思います。 お金はあの世に持って行けませんから、全部使い切って、葬儀や 供養は寺負担でしてもらう、そのような考え方も受け入れます。 ▼かつて、江口さんという方は、九州から来られて、広島で借家に 住んで、働き通して老衰で亡くなられました。身寄りの人がおられ なくて、遺体は観音院に引き取って、葬儀は観音院の僧侶だけで丁 重に執行し、お骨は霊廟に収めました。法事は住職さんが施主で、 怠り無くされています。江口さんは生前沢山の施本をなされました。 死後、印鑑と預金通帳がありましたが、遠くの縁者が受け取られた と聞いています。 ■葬式やその後のことが心配な人は、財産があるなら遺言状、葬儀 や法事に通知する住所録。火葬許可申請に必要な現住所や本籍地な どを寺に知らせておいてください。 ▼心配なら寺の職員にいろいろと納得されるまで聞いておかれると 良いと思います。くれぐれも申し上げておきますが、死んだら遺産 を寄付する、だから面倒をみてくれとは言わないでください。遺産 目当てで観音院は年寄りの面倒をみるようなことはしません。 ■お金が有ろうと無かろうと、できることをするのが寺や僧侶の義 務だと考えているだけです。 ▼但し、絶対に関与できない条件があります。それは自殺です。ど のような理由であれ、自殺する人の面倒はみません。 ▼何かあった時に役に立ちそうなこのシステムは自然に出来上がっ たものであり、特別に工夫されてものではありません。携帯電話の 普及以前には最初はハム、次いでMCA無線局の運用と世の中の進 歩につれて観音院で自然に発生したものです。最初の携帯電話から 僧侶職員の必携として使ってきて今日があります。 ■国民の二人に一人が携帯電話を持つ時代、パソコンの新しい利用 方法についても、いろいろと考え皆さんのお役に立つシステムを構 築したいと念願しています。 観音院は真実と慈悲を標榜しています。運営は信徒さんの合議で、 経理は公開です。現在の在り方は、皆さんの要望が形となったもの です。法主さんの願望が現実になりました。 現代は困った世の中です。何か善意で物事をしたいと願っても、 前提条件として、害意が無いことを証明しなくてはなりません。 観音院に害意はありません。皆さんのお寺ですから。 |
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