Web版 月刊 観自在
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巻頭の言葉(今月の法話)
2002年10月号
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−いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える−
巻頭の言葉(今月の法話) 2002.10
弱肉強食、市場主義の世の中で
倫理観と体力が生き残りの鍵です
観音院 住職 高田寛恵
街中から、小さい商店や中小企業が退場しています。
大企業も、大規模なリストラや合併、不採算部門の閉鎖など、
スリム化構造に努力しています。
金融機関も合従連衡、破綻、ペイオフの決済資金は先延ばしの
方向らしいですが、悪い風評が立つと預金の流出は止まらず、
有名大銀行でも経営危機に瀕します。
デフレ傾向は止まりそうもありませんし、日本一国の経済状態
では問題は解決はしません。
経済のグローバル化の中で、アメリカの株価の低落傾向は日本
にも大きな悪い影響があるでしょう。
アメリカ経済のバブル崩壊は、日本の苦い経験を十年遅く経験
していることになりますが、その影響は、日本のバブル崩壊より
大きく、株価回復の見込みが立ちません。
底を打ったといわれる日本の景況にも深刻な影響がありそうです。
かって、タイのバーツが売られて、通貨が大暴落したこと、
連れられてアジアシ諸国の通貨も大変な影響を受けました。
最近では南米諸国の通貨暴落は記憶の新しいところですが、日本の
円がどのような方向に振れるのか、経済全般について心配なことです。
少子高齢化は納税者人口の減少に直結します。高齢者の増加は年
金会計を直撃します。
新卒者の就職先は減少していて若者の独立を困難にしています。
このような世の中で、寺はどのようにあるべきか、深刻に考えて
います、観音院は運営を信徒さんの合議に任せているとはいえ、
私どもにも責任があることで心配しているのが現実です。
■困難な世の中です■
お寺も、弱肉強食と市場主義の社会の影響を避けることは不可能
です。信徒さんの苦悩はそのまま僧侶の苦悩になります。
経済の停滞は楽観を許さず、生き抜くためには知恵と努力と誠実
さと敏感な反応が大切な条件になると考えています。
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