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巻頭の言葉(今月の法話)  2002年10月号   [9月号] [11月]
     −いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える


巻頭の言葉(今月の法話) 2002.10
弱肉強食、市場主義の世の中で
       倫理観と体力が生き残りの鍵です

                  観音院 住職 高田寛恵

 街中から、小さい商店や中小企業が退場しています。
 大企業も、大規模なリストラや合併、不採算部門の閉鎖など、
スリム化構造に努力しています。
 金融機関も合従連衡、破綻、ペイオフの決済資金は先延ばしの
方向らしいですが、悪い風評が立つと預金の流出は止まらず、
有名大銀行でも経営危機に瀕します。
 デフレ傾向は止まりそうもありませんし、日本一国の経済状態
では問題は解決はしません。

 経済のグローバル化の中で、アメリカの株価の低落傾向は日本
にも大きな悪い影響があるでしょう。
 アメリカ経済のバブル崩壊は、日本の苦い経験を十年遅く経験
していることになりますが、その影響は、日本のバブル崩壊より
大きく、株価回復の見込みが立ちません。

 底を打ったといわれる日本の景況にも深刻な影響がありそうです。
  かって、タイのバーツが売られて、通貨が大暴落したこと、
連れられてアジアシ諸国の通貨も大変な影響を受けました。
最近では南米諸国の通貨暴落は記憶の新しいところですが、日本の
円がどのような方向に振れるのか、経済全般について心配なことです。

 少子高齢化は納税者人口の減少に直結します。高齢者の増加は年
金会計を直撃します。
 新卒者の就職先は減少していて若者の独立を困難にしています。
 このような世の中で、寺はどのようにあるべきか、深刻に考えて
います、観音院は運営を信徒さんの合議に任せているとはいえ、
私どもにも責任があることで心配しているのが現実です。


困難な世の中です

 お寺も、弱肉強食と市場主義の社会の影響を避けることは不可能
です。信徒さんの苦悩はそのまま僧侶の苦悩になります。
 経済の停滞は楽観を許さず、生き抜くためには知恵と努力と誠実
さと敏感な反応が大切な条件になると考えています。



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