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巻頭の言葉(今月の法話)  平成13年・2001年11月号   [10月号] [12月]
     −いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える



テロ犠牲者の冥福を祈り、平和を願う
                観音院住職 高田寛恵


 ニューヨークの世界貿易センタービルテロの六千数百人に犠牲者
の冥福を祈っています。
 信徒さんの知り合いに犠牲者が居られて、現実に供養を依頼され
他人事とは到底思えません。

 政治目的のため暴力や脅威に訴えることを「テロ」といいますが、
大型ジェット機をハイジャックして高層ビルに激突し、同時に何機
も同じ行動を取る。犯行声明も出されず要求も無い、結果として沢
山の人々が犠牲となるようなテロは今までに例がありません。
 世界中を震撼させた今般のテロ事件は全ての人々を恐怖を感じさ
せ、各国がテロ根絶に向けて行動を起こそうとしています。
 日々ふつうにに生きている人たちの大きな不安、人々の営む経済
に与える影響は計り知れません。

 米国にとっては宣戦布告を受けたような状態で、テロを指揮した
と疑われる人物がいると推定されるアフガニスタン周辺は米国軍隊
や米国支援諸国によって包囲され攻撃前夜の様相で、日本も後方支
援する海自艦を派遣しています。

 アフガニスタンのタリバン政権は一市民に至るまで武器を支給し
て、戦争は避けられそうもありません。テレビもラジオもインター
ネットも日々紛争を報じ、不安はだんだんと増幅しています。
 争いは話し合いで解決することが望ましいと思われます。人口二
千六百万人、九十九%がイスラム教信徒で峻険な山々と平地は砂漠
地域で、憲法も選挙もありません。 
 世界遺産ともいうべきバーミヤン石窟仏像の破壊は、惜しむべき
行為で胸が痛みました。
 戦争の一日も早い終結を願うとともに、テロ犠牲者の関係者の心
が癒され、合わせてニューヨークの繁栄と復興を願うものです。


民族や宗教を超えて

テロによる犠牲者の国籍は五十カ国にも及び、報復に世界的規模の
理解がある。アメリカの怒りも理解できる。しかし、民族や宗教の
相違を超えて平和な世界を願うことは無理なことだろうか----。
この攻撃が大規模に発展しないことを皆さんも願ってください。


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