| Web版 月刊 観自在 − いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える − |
| 法主さんの日常 その19
法主さんが求められるものは何も無い 観自在編集部 |
| 年齢を自覚すると、明日、あの世に逝っても、珍しいことでは無い。 このように考えると遠い将来の約束をすると反古にしかねない。 だから、一週間や一月先の約束はしてはならないと自戒するようになった。 朝、目が覚めると、有り難く、今日一日、できるだけの努力をしておきたいと考えてみることもある。 そのように考えることも実際は必要ないことで、目が覚めねばそれまでののことで、寿命には何の責任も無い。 私は、お大師さまと同じように六十二歳まで生きていればと、それを目標ととして来たので、随分と予定よりは長く生きたもので、どう致し方も無い。 喜寿とか米寿まで、時には白寿まで生きて欲しいと望まれることもあるが、同年代の死亡通知を受けると、何だか淋しくなる。 身体の老化は年相応で、早朝覚醒する、連続作業は困難、集中力の劣化などは避けられない。 遺言を書いて置きたいのだが、死んだ後に、皆さんがどのようにされるか、そのような指図までする気は無い。 車の運転は止めた、若い人たちが来るので、出来ることは次々と譲りたい。 職責も片端から譲り渡して、全部を任せて真空のような存在になりたい。 知識欲や情報収集欲は旺盛だが、使うあても無い知識を集積しているのだから、これは娯楽のようなものだろうか。 お金は持って逝けないのだから、今日不自由が無ければそれで良い。 食は極端に細くなってきた。あまり運動が出来ないので、それほどカロリーは必要ない。 テレビ番組には殆ど興味が無くなったのは何故だろうか。役割としてはBGMのような感じ、電気の浪費です。 生まれて来て良かったと思えるのは本当に嬉しいことで、回顧しても、嘆くようなことは一切無い。 現在も外部からは、私がいろいろと何かしているように見えるらしいが、全て言われた通りにしているだけで、私が提案して始まるようなことは無い。 弟子を持とうなどとは考えてはいないが、増えるものもそれも良い。 立腹したり、馬鹿にされたとか、他人と比較して、良かろうが悪かろうが全く気にならない。 競争心とか、誇りなどは、文字通り「塵芥」のようなものになったのだろうか。 他人の評価なんて、腐されても誉められても何も感じない。社会とは関連が無いような浮き上がった存在になってしまったのだろう。 自分の番が回って来ても「お次の方どうぞ」と行列から外れてしまった。 過ぎ去ったことは善悪損得全部忘れるほうが夜良く眠れる。 過去に拘って喜んだり、反省したりし過ぎると、人生が半分無駄になる。 況や(いわんや)立腹したり、妬んだり、悔しがったりするのは時間の浪費。 責任なんか何にも無いのに、時間が足りない、どうしてこんなに忙しいのか、考えるだけ無駄だろう。 生まれて以来、悪いことの百倍くらい良いと思われることをしても、人生には終りが無いことは理解出来た。 さてさて、現在も「善に執着するは悪事をなすよりもなお悪し」と思っているが、軽い気持で皆さんにしてもらいたいことがあります。 現在、混迷の世の中に聖者を送り出したいと考えていますが、それも一人や二人ではなくて、取り合えず百人の僧侶です。その僧侶たちが悪事を働かぬように、経済的な後援者が欲しいのです。僧侶を養子にする、聖者を養子にすると考えたら良いと思います。 一人で負担すると一ヶ月五十万円くらい掛かります。勿論、子供のいない人などは後生安楽のために聖者を一人面倒を見てあげられると善い。 聖者を志す人を、何人かで面倒見るのも善事だと思います。一回きりでも大変な善事になります。 聖者に経済的な刻苦を体験させると悪魔になることがあります。経済的な苦労をさせられないのが宗教団体の倫理であり責任なのです。 聖者の養成は相当に困難なことですが、維持することがより大変です。 家庭に仏間が無くなり、仏壇の置き場が考えられていない日本の仏教は明瞭に斜陽化しています。少子化は寺院も同じことで、あるいは五十年後には半分の寺院の後継者がいなくなる可能性があるのです。 仏教は日本の背骨のような役割を果たしていますが、心細くなります。観音院は今年中に若い僧侶三人が専従してくださることになっていますが、有り難いことだと受け止めています。 私は七十歳の今日まで誰からも嫌味も言われず、苛められず、辛い経験をもっていません。どうぞ、若い僧侶を、日本の将来のために、あなたの後生のために大切にしてください。 |
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