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Web版 月刊 観自在  いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える
佛具・お供物のお話  明敬 記 
平成12年・2000年6月号

念珠・数珠 その一 

■念珠の功徳(くどく)■

 私たちは、み佛さまを拝むとき、念珠(ねんじゅ)を手にします。

念珠は佛教徒の証(あかし)と言われています。そして、それは

つ人の慈悲(じひ)と戒律(かいりつ)を表すとされています。

 ご真言をお唱えするときは念珠で数を数えます。そのため「数珠

(じゅず)」とも呼ばれます。念珠で数を取るのは、数を数えると

いう雑念に捕らわれないためです。

 念珠の珠(たま)が百八珠あるのは、人間の百八煩悩(ぼんのう)

を悟りに転ずることを表し、念珠を繰(く)るのは、身・口・意

(しんくい)の三密行(さんみつぎょう)とされます。

 念珠は念誦(ねんじゅ)に通じます。菩提樹(ぼだいじゅ・お釈

迦さまがその樹下で悟りを開かれた聖樹)の実を用いた念珠で、一

唱えれば、無量無辺不可説の福を得ると説かれています。

■念珠の作法(さほう)■

 真言宗では、百八珠を正式な念珠としています。念珠は百八珠を

二分している大珠が二つあり、これを親珠(おやだま)と呼びます。

 念珠を手首に掛けるときは、左手首に掛け、このとき長いもので

も一重にします。二重、三重にしたり、手首に巻き付けたりはしま

せん。

 合掌は左手の掌を少し上向きに、その上に右手の掌を重ねます。

そして右手の親指が左手の親指の上にくるように、指先を軽く組み

合わせます。これを金剛合掌(こんごうがっしょう)と言います。

片手で持つときには、二重にして左手の人指し指に掛け、親玉と房

を手の中に入れ、握りしめます。

 置いておくときは、三重にして浄明(じょうみょう・親珠の隣に

ある小珠)の付いているほうの親珠が上になるように、ご本尊さま

の方を向くように置きます。

 手に掛けるときは、左手の人指し指と、右手の中指に房が手のひ

らの中にくるように掛けます。

 念珠は手首にかけ、手に持つもので、ネックレスのように首に掛

けるものではありません。

 短い略式念珠のときは、法要中は左手に軽く握ります。合掌する

ときは、念珠の輪の中に両手先、または片手先を通します。

 ときに念珠を激しく摺(す)り鳴らす方がおられますが、通常は

摺るものではありません。そして、法要中には絶対に念珠を摺らな

いようにお願いします。法要中は僧侶が念珠を摺ってご祈念やお経

の合図としているからです。

 お念珠は、身につけているだけで罪障を滅し、無量の福を受ける

功徳があると言われます。み佛に感謝し、心を込め、優雅に美しく

扱いたいものです。

 


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