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仏具・法要・お供え物の話 2003年5月号 [ 4月] [6月]
 −いたわり 慈しみ 思いやり 相手の立場で考える


− 仏像・仏壇・仏具について −

仏壇屋さんも石屋さんも大変です
    仏壇やお墓のことについて少しばかり
                        観自在編集部

 お仏壇屋さんの経営は大変だそうです。仕入れは全部買い取りで、
売れない場合は在庫になって、税務上は利益と看做(みな)される
かも知れません。
 仏壇を購入するのは、普通は生涯に一度、、豊かになって、家を
立替えて、立派な家に似合うように、それなりに立派な仏壇に買い
換える。このような人は、また、より豊かになって、また、仏壇を
買い換える傾向がありますから、仏壇屋さんにとっては滅多に無い
お客さまです。

 墓石もそうですね。外国から色々な石を買って、最近では、お客
さん好みのデザインで彫刻して、しかし、資産に応じて買い換える
方もあります。
 昔は、墓石は一人に一基だったのが、最近は「先祖代々之墓」に
なりました。
 日本は狭いですから、一人に一つ墓を建てると、日本中が墓地に
なります。一家に一基が圧倒的に多いようです。

 次男以下は、結婚して子供が出来ると本家の墓には入れません。
分家して、別に墓を建立します。女性の場合は婚家先が長男であれ
ば、先祖代々之墓に、次男以下なら夫婦で協力して分家初代となり、
水子さんの墓は、いろいろ考えて観音院ではお勧めしていません。
心に傷が残っている場合、寺が責任をもって施主となり、安心して
頂くようにしています。
 供養や墓について考えられるのは親兄弟姉妹の範囲までで良いの
ではないかと、これは信徒さんの多くの方々と相談して決めました。

 お墓の建立(こんりゅう)は、地震で震度5くらいまでは壊れない、
ずれない、倒れないようなお墓を造られるよう石屋さんに期待して
います。震度4くらいで損害が出ては基礎と接着剤が不十分です。

 観音院では、墓の基盤から1mくらいの土中に鉄筋とコンクリー
トの打ち込みがしてありますから、砂州地域では大分丈夫だと思い
ますが、土中の様子は見えませんので、役に立っているかどうか
不明です。
 先の芸予地震では倒壊二基で済みました。墓石のデザインに問題
があって、接着の不十分な五輪形式は地震には弱いようです。
お墓は、下の石台に上の石の下部が はまるような設計が望ましい
と思います。猫足の付いていないものが丈夫です。

 お骨を収める部分は、下に砂を敷いて散骨される形式があります
が、その周囲の石の下部がコンクリート基盤と密着していることが
望ましいことです。収納部分が乾燥すると良いです。
 骨壷の内部で水蒸気が溜まり、雨水が入り込んだりして、内部が
水で一杯になり、やがてお骨が水に溶けて、骨壷の中には水だけに
なることもあります。
 お墓は一年に二度くらい洗剤で軽く洗うと綺麗です。墓石の文字
に墨入れするのは難しく、ご奉仕で墨入れをして塗料が文字の下に
垂れて消すのに苦心されました。

 墓が傾くと、垂直に立て直して上げたいのですが、相当な費用が
必要で、施主にお願いするしか方法がありません。
 墓地管理者のお寺は、施主に無断でお墓に手を加えることは出来
ません。
 お墓を建立する場合に注意すべきは、作業中に重い墓石を持って
いる人に声を掛けないことです。施主の一声で、注意が散漫になり
石を落として手足の指を潰されるような事故が起きます。
 石材は御影石(みかげいし)が望ましく丈夫で長持ちします。
庵治石は高級石材です。

 お墓を建立すると管理するお寺があると、そのお寺のお坊さんに
依頼して「開眼(かいげん)法要」をしてもらいます。ふつうは自動
的にその寺の檀家になります。
 最近では檀家になると、寺の維持費用を負担することになるので、
公園墓地を選択する方も多いようですが、墓地の維持管理費はどこ
も毎年必要なようです。
 お墓のお供えで困るのは、缶ビールや梅焼酎など酒類です。夜中
に酩酊(めいてい)するほど、あさり飲みをされる人がいます。
 線香の代わりに故人が嗜んでいた煙草を立てるのは、仏壇もお墓
も、ルール違反です。
 自殺の場所に、墓地を選ぶ人もありますが、未遂に終わります。
寺付き墓地はお坊さんが朝晩見回りますので、救急車で病院に運ば
れます。

 観音院の室内の「納骨仏壇」は完全管理です。午後七時から午前
七時まではお墓参りは不可能ですが、清潔で天候に左右されません。

 仏壇で多いのが、蝋燭の火の消し忘れです。線香も長いものを
消し忘れて、しっかり立っていないと倒れて畳や床に落ちて、仏壇
の火の不始末で、火事を出すのは気の毒です。礼拝(らいはい)が
火事の元ではご本人もやり切れません。
 線香は五センチくらい、蝋燭は礼拝が終わると「火を消す習慣」
を付けていただくことが大切だと思います。

 お供えで、お惣菜やインスタントラーメン、時代を反映して電子
レンジでチンする物などが、賞味期限が過ぎるまでお供えしてある
のは、考えさせられます。
 お花に造花を供えられるのは構いません。時々埃を落とすことが
大事です。
 造花は、お寺でも蓮などが常花(じょうか)として昔から供えら
れています。造花は勢いよく燃え上がるものがありますから蝋燭の
火に触れぬよう近づけぬよう注意してください。


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